障害年金の初診日 5年以上前のカルテに記載された初診日について

 

① 初診日の重要性

障害年金において初診は非常に重要で初診日は決まらないと手続きはスタートしません。それが特定できずに涙を流すケースは多いです。

初診日は請求する障害年金で初めて病院を受診した日を指し、それが決まり始めて請求できる年金が決まり、保険料納付要件なども確認できるようになります。

初診日が決まらないと年金受給はできませんし、決まった初診日で保険料納付要件を確認するので保険料納付要件を満たさないとそもそも年金請求はできません。

なので、皆さん古いカルテを取り出し初診日の特定を行っていきます。

昔、初診日は日付まで特定しないといけないケースもあったみたいですが平成27929日に出された「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」以降は初診日の特定具合は緩和されつつあります。

② 「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い」について

この通達は、以前はカルテに基づく受診状況等証明書で日付まで特定していた初診日を、カルテではなく第三者の証言で特定しよう、や一定の期間年金を納めていると請求人が申し立てた初診日で請求を認めようと、初診日特定の程度を緩和することが目的にありました。

今回取り上げるは、その通達の中の「第3 その他の初診日の取扱いについて1.請求

者の申立てに基づき医療機関が過去に作成した資料の取扱いについて」で「請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。」です

これは、例えばA病院(2014年受診)B病院(2017年から現在まで受診)の流れでA病院で受診状況等証明書が取得できない場合B病院でA病院の存在を話しておりそれがB病院のカルテにあるならばA病院を初診日として認める事を指します。

その際にB病院の初診は現在から5年以上前でなければなりません。

上記は2か所の通院先なの分かりやすいですが、これがA病院⇒B病院⇒C病院⇒D病院⇒E病院等のケースでC病院のカルテにA病院の存在がかかれておればそれを初診日として活用できる意味を指します。

③ 私が経験した事例 糖尿病、腎不全から来る肢体切断のケース

 5年以上前のカルテを活用して初診日が認定できたのは下記のケースです。

初診は20年程前、足の痛みで内科を受診すると糖尿病であると診断されA病院を継続受診する。その後寛解していたが10年程たち再発、A病院では対応不可となり、B病院、C病院、D病院となり転院するにつれてA病院の存在がカルテから薄れていき、年金請求の段階ではA病院のカルテは無い状態でした。

幸いにもA病院での大量の領収書が残存していたので、参考資料として数年分の領収書とC病院での受診状況等証明書を添付して請求しましたが、初めは返戻されました。

その際に指摘されたのはこの通達である「請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。」の部分で何かないかと言われました。幸いなことに身体障碍者手帳の診断書にダイレクトではないですが過去糖尿病の治療で数年来の治療歴があるとの記述があったので、その一文とA病院の領収書の束でどうにか初診日特定がなされました。

 

身体障害者手帳取得時点の診断書が無ければ認定されなかったもしれない事例でしたが、運に左右されるのも障害年金の特徴です。

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