精神系の障害年金申請をサポートする際の就労状況についてのヒアリング項目についての説明の続きです。
今回は職場での配慮事項について説明します。職場での配慮は重要で精神系の疾患をもつ人が就労する場合何らかの配慮を職場で受けています。もし、配慮を一切受ける事無く就労できているならその障害は日常生活に影響を与えていないと考えられても仕方ありません。そのため、就労している人が障害年金を請求する際には職場での配慮事項をヒアリングするのは必須です。以下では具体的な配慮事項のポイントについて説明します。
因みに何をもって配慮とするかは職務内容により異なりますし、そもそもその人によっても異なります。配慮は属人的な部分が大きいのでその人の特性を踏まえた上で職場でのどのような対応がなされているかヒアリングしていかないといけません。ただ、支援者は共通の配慮と属人的な配慮の両方のヒアリングは必要です。
3. 職場での配慮事項(本人が就労し易い環境が整えられているか?)
① 特定の業務を除いた上での就労(例えば、電話対応が苦手な場合電話業務を除き作業が組み立てられている。それが、指示によるものか、同僚等から自然発生的に生まれてくる場合も含む。)
特定の業務を除くことを障害者に対する配慮と捉える考えは、元々の職務と特定業務を除いた職務との比較で明確になります。例えば飲食店を例にとり考えると健常者の職務がホール全般と会計処理で障害者の職務はホールのみの場合、障害者には会計業務が除かれていることになります。そこで、会計業務が除外されている理由が①計算が苦手②近距離でお客様と接すると緊張するとの理由で会計業務が除外されているならそれは配慮と捉える事も可能です。実際ヒアリングすると明確な理由なく特定の業務が除かれている場合もありますが、少なくとも業務内容が健常者とで異なる点は気づく必要があるとは思います。
② 業務上ミス・失念の有無(ミスなどへの寛容度)
障害者雇用の場合ミスや品質の低下を前提に作業工程を組んでいる企業様も多くあります。見方を変えれば健常者より評価基準を落としているとも考えられます。この点は中々ヒアリングしづらいと思いますが、障害者本人からも聞いて見れるなら聞いてみます。
③ 定期的な面談(本人の状況などについて意見交換)
健常者の場合は見方を変えれば年に1回・2回の人事評価の機会と捉える事も出来ますが、障害者の場合は就労するにおいて外部の支援機関や内部の関係者が一同に会して本人の就労状況に意見交換をする機会が設けられる場合があります。
通常健常者で卒業大学の進路指導が本人の仕事の状況について意見交換する為に会社に呼び出されることはまずありません。そう考えるとこの様な定期的な面談を行うというのは本人の職場定着を促す配慮と考えられます。
④ 命令権者の統一(四方八方から指示が飛んでくる状態ではない)
障害者雇用で多いのが、指示が四方八方からきてパニックになるとの話です。そのため会社もこれを回避する為に命令権者の統一という形で指示系統を明確にして指示は本人が主に関わる人からのみ発せられ形にします。障害者の中には断れない人もいます。断れずに仕事を受けすぎて後で困ることのない様に指示を出す人を極力減らす配慮はなされます。