病歴就労状況申立書の作成方法が以下の2パターンの場合変更になりました。

20歳前に初診日があるケースで、①生来性の知的障害に特に大きな変化が生じた場合を中心に出生から現在までの状況をまとめて記載することが可能。② 初診証明の簡素化手続きを行った場合、発症から初診証明発行医療機関の受診日までをまとめて記載することが可能、になりました。

この変更点をどの様に捉えるかは人それぞれです。特に知的障害の場合、幼少期などの記録・記憶がなく書類作成ができない等の意見を受けての改正かと思います。確かに「何を書いてよいのか分からないという」意見から考えると記載が義務で無くなったのは事務負担の軽減が図れる反面、せっかく行政に請求人の病歴状況等を伝えるよい機会をミスミス逃してしまうことになりかねません。そこで、私見としてはあくまでも「省略することができる」という点からできるだけ省略せずに記載することをお勧めします。

また、パンフレットにもあるように「①生来性の知的障害に特に大きな変化が生じた場合を中心に」とあり、もし出生から現在までの20年間を一括りにすると大きな変化があまり見られない、つまりは、障害が日常生活に影響を与えていないと捉えられる可能性があります。これはあくまでも極端な例ですが、行政がその事実をどの様に理解するかは請求者側も分からないことを考えると安易に数十年の出来事を一括りにするのはリスクがあると考えます。

私は従前どおりに3-5年刻みで病歴就労状況申立書を作成することをお勧めします。

病歴就労状況申立書は請求者の障害が学歴・生活歴・就労歴等に影響を与えていた点に焦点を当てていけばおのずと用紙は埋まっていきます。記載方法が分からない場合は箇条書きでライフステージごとに埋めていくだけでもそれなりの情報量は確保できます。時間があるときにでも少しづつ記憶を掘り起こしておくことをお勧めします。