人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コースを知っていますか?
人材確保等支援助成金の中でがん検診(雇用管理制度助成)や人事評価改善等助成コースが有名ですが、介護事業所、障害者施設、保育園等(以下、介護事業所等と略)にとってこの助成金は非常に魅力的です。
イメージは人事評価改善等助成コースですが、この助成金が求めている2%の賃上げは求めていません。介護事業所等に努めているすべての介護関係の職員の賃金テーブルを作成し、計画期間内に人事評価か定期昇給を行うことで要件を満たします。定期昇給を選択すると計画期間内に昇給を行わないといけませんが、人事評価の導入の場合は評価の結果昇給なしという結果でも要件は満たします。人事評価制改善等助成コースが求めている2%の賃金アップまでは求めていません。
助成金額
介護・保育労働者雇用管理制度助成コースは3段構えで他の助成金と比較して類を見ない金額になっています。延べ4年間で192.5万円(生産性アップの場合230万)受給できる可能性があります。
制度整備助成 50万円 目標達成助成1回目 57万円(生産性アップ 72万円)
目標達成助成2回目 85.5万円 (108万円)
制度整備とは計画期間内に賃金制度を整備し実施することです。具体的には賃金制度をスタートしてその期間内に評価し昇給又は据え置きにする、又は定期昇給を行うことを際します。
目標達成助成は雇用保険の離職者数を減少させることをさします。具体的には計画地出前の1年間と計画期間終了後の1年間の間で雇用保険の資格喪失者数を減少させる必要があります。計画提出前の期間が1年取れない場合や資格喪失者がゼロの場合は計画終了後1年間で資格喪失者が1名でも出れば目標達成助成は受給できないのが難点ですが。
人事評価等助成コースが 制度助成 50万円 3年後に生産性アップ、離職率低下、賃上げの要件を満たして80万円と比較しても介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの優遇ぶりが理解できると思います。
介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの特徴
この助成金の活用のメリットは総額192.5万円受給できるだけでなく、この助成金を活用して処遇改善加算取得の要件であるキャリアパス要件1とキャリアパス要件3の整備が可能な点です。
キャリアパス要件1は階層的な賃金テーブル作成
キャリアパス要件3は昇給の仕組み(客観的な評価による昇給、定期昇給等)の導入です。
キャリアパス要件1の階層的な賃金制度が有ってもそれが一部の労働者にしか適用されない制度で、それを全ての労働者に拡充する場合はこの助成金が活用できる場合もあります。
介護業界の離職率は高いですが、開所間もない事業所や知り合いで固めている事業所等離職者の出る可能性が低い事業所は非常に魅力的な助成金になると思います。
介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの流れ
例えば2021年2月中に計画届を提出するパターンで計画期間を最短3カ月に設定する場合
2021.2:計画提出
2021.3:労働局の審査期間
2020.2.1-2021.1.31 計画提出時離職率算定期間…①
2021.4~2021.6.30 計画期間(賃金制度の整備、実施する期間。この期間に就業規則を変更し階層的な賃金制度等を導入し評価などを実施する。)
2021.7.1-2021.8.31 制度整備助成の支給申請
2021.7.1-2022.6.30 目標達成助成1回目の雇用保険の資格喪失者の算定期間…②
2022.7.1-2022.8.31 目標達成助成1回目の支給申請期間
2022.7.1-2024.6.30 目標達成助成2回目の雇用保険の資格喪失者の算定期間…③
2024.7.1-2024.8.31 目標達成助成2回目の支給申請期間
①と② ①と③の期間の雇用保険被保険者の資格喪失者数の比較を行う。
①が1年取れない場合はこの期間の離職者数はゼロになるので、②③で一人でも利用者が出れば目標達成は満たさなくなる。