4 受診状況等証明書を活用して初診日を特定しよう‼
4-1 受診状況等証明書についての概略
受診状況等証明書、実務ではよく初診証明と言われています。
この書類は障害年金で重要な3点(初診日・保険料納付要件・障害状態)である初診日、保険料納付要件に関係する書類です。
初診日はこの受診状況等証明書を活用し証明していきます。
この書類の目的は初診日の特定であり、前医の存在がない事を確定し初診日が動かないように固定することにあります。初診日は障害年金の出発点で、これが揺らぐとすべてが崩れます。(障害認定日もずれる、請求する年金も変更の可能性がある。)初診日が特定されないと障害年金の申請はできません、それほど重要な書類になります。
受診状況等証明書は請求する障害の初診日と思われる病院で作成してもらいます。
もし、初診と考えられる病院で受診状況等証明書が作成できない場合、2番目の病院で作成してもらいます。2番目の病院で作成不可なら3番目の病院でと、受診状況等証明書が取得できる病院までドンドン下っていきます。
私の中で受診状況等証明書を用いた初診日の特定のイメージは、数珠繋ぎです。
初診から2番目、3番目…最後の病院と、順々に初診の病院から連続性があり最後の病院まで続いていく。その連続性が途切れなければ初診の病院と最後の病院との因果関係が証明されると、ざっつくりとイメージしています。
4-2カルテに基づく受診状況等証明書の証明力
では、初診日の病院で作成してもらえばそれで受診状況等証明書の要件を満たすかと言えば違います。
要件を満たすには初診の病院に当時のカルテ(診療録)が残っており、それに基づいて作成される必要があります。逆にカルテが無い状態で作成してもらう受診状況等証明書は初診日を証明する価値は低くなります。
では、カルテに基づく受診状況等証明書は常に初診日が特定できるのかと言えば、そうではありません。最終的に初診日の特定は提出する診断書や病歴就労状況申立書等様々な書類を総合的に判断し年金機構が決める形になりますが、受診状況等証明書の中身だけで重要な点を考えるなら、⑤発病から初診までの経過 前医からの紹介状がありますか?と⑨初診から就診までの治療内容及び経過の概要等の内容が肝になります。
例えば⑤の前医からの紹介状が有るならば、その病院が初診とは言えなくなります。また、紹介状が無かったとしても、⑤発病から初診までの経過に前医の存在を考えさせられる様な記述があれば、その病院が初診日とは認定されないでしょうし。⑨に関しても同様です。
あと、③発病年月日や④傷病の原因または誘因⓺初診年月日⑦終診年月日も色々な障害が併存する場合は重要になります。
なので、この受診状況等証明書の中身すべてが重要ですが、少なくとも初診日と言えるためには前医からの紹介は無に〇が入り、かつ、経過に関してもこの病院が初診日であろう記述内容でないと初診日としては認められません。