【てんかん】20歳前障害基礎年金2級の受給ポイント|ガイドライン目安表の対象外?発作頻度と審査の基準を社労士が解説

「てんかんで仕事に就けないが、20歳前障害年金はもらえるのか?」
「障害者手帳2級を持っているが、年金も2級になるのか?」
「精神の障害認定ガイドラインの目安表が当てはまらないと聞いたけれど本当?」

てんかん(癲癇)は、精神の障害用診断書を使用して請求を行いますが、うつ病や統合失調症などの精神疾患とは審査の着眼点が大きく異なる疾患です。

本記事では、てんかんで20歳前の障害基礎年金2級を目指す際の審査基準、発作のタイプと頻度の重要性、手帳との違いや診断書作成の注意点を専門の社労士が分かりやすく解説します。

1. てんかんは「等級判定ガイドラインの目安表」の対象外?

精神障害で障害年金を請求する際、多くは「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」にある「日常生活能力の判定平均」と「日常生活能力の程度」のクロス表(目安表)を参考にします。

しかし、てんかんはこの「目安表」の機械的なあてはめ対象外とされています。

【理由】
てんかんの障害の程度は、発作がない時(間欠期)の日常生活能力だけでなく、「どのタイプの発作が、どのくらいの頻度で起きているか」「適切な投薬治療が行われているか」が決定的な判断要素となるためです。

目安表の判定平均が「3.0・程度4(通常の精神疾患であれば2級相当の目安)」であっても、てんかんの場合はそれ単独で2級が決まるわけではなく、発作の状況と総合的に判断されます。

2. てんかんにおける障害年金の認定基準(発作タイプと頻度)

てんかんの審査では、まず発作を以下の「4つのタイプ」に分類し、その頻度によって等級を判定します。

① 発作の4つのタイプ(A〜D)

  • タイプA: 意識障害があり、状況に合わない行動をしてしまう発作(意識障害、自動症など)
  • タイプB: 意識障害の有無に関わらず、転倒してしまう発作(強直間代発作など)
  • タイプC: 意識を失って動作が止まってしまうが、倒れない発作
  • タイプD: 意識はあるが、自分の意思で体を動かせなくなる発作(脱力発作、ミオクローヌス発作など)

② 等級と発作頻度の目安

上記のタイプを踏まえ、発作の頻度と日常生活への影響から等級が判定されます。
※「抗てんかん薬など、十分な治療を行っても発作が抑えられない場合」が前提となります。

等級 発作の頻度(目安) 日常生活への影響
1級 発作AまたはBが月に1回以上 常に誰かの援助が必要な状態
2級 発作AまたはBが年に2回以上
または、発作CまたはDが月に1回以上
日常生活に著しい制限を受けている状態
(参考)3級 発作AまたはBが年に2回未満
または、発作CまたはDが月に1回未満
労働に制限を受ける状態
※20歳前障害基礎年金には3級はありません(1級・2級のみ)。初診日が厚生年金の方のみ対象となります。
【注意点:適切な服薬の記載について】
基準には「抗てんかん薬の適切な投与が行われているにもかかわらず」という条件があります。指示通りに服薬しても発作がコントロールできていない事実を、主治医にしっかりと診断書へ記載してもらう必要があります。

3. 「20歳前請求・無職・判定平均3.0」の審査ポイント

20歳前の障害基礎年金には3級がなく、「1級」または「2級」のみが対象となります。審査においては以下の点が重要になります。

  • 無職・就業困難であることの証明
    発作による危険(高所・刃物・運転不可など)や、発作後の倦怠感・朦朧状態により就労ができない実態を明確にします。
  • 発作間欠期の症状(判定平均3.0・程度4の裏付け)
    発作そのものだけでなく、薬の副作用によるふらつき・傾眠、記憶力低下、認知機能や気分の変動など、日常生活能力に支障が出ている部分を反映させます。
  • 発作回数の整合性
    本人の申告(病歴・就労状況等申立書)と主治医が把握している発作回数が一致していることが極めて重要です。

4. 障害者手帳2級を持っていれば年金2級も通る?

結論から言うと、「手帳2級だから年金2級も必ず通る」とは限りません。

  • 障害者手帳(精神): 自治体が判定します。福祉サービス利用を目的とするため、比較的広く認定される傾向があります。
  • 障害年金: 日本年金機構が判定します。所得保障の性格を持つため、より厳格に審査されます。

手帳2級を持っている事実は参考になりますが、年金の診断書において「発作頻度」「発作の型」「服薬状況」「日常生活の制限度」が年金基準を満たしているかが個別に審査されます。

5. 失敗しないための申請手続きの要点

発作記録(発作日誌)の提出・共有

主治医の診察時間内に発作の全てを伝えるのは困難です。発作の起きた日時、発作の型、継続時間、発作後の状態をメモに残し、診断書作成時に主治医へ正確に伝えます。

病歴・就労状況等申立書の具体性

「いつ、どこで発作が起きて危険だったか」「一人で外出や家事ができない理由」「就労が困難な理由」を具体的に記載し、日常生活能力の低下を補足します。

まとめ:てんかんの障害年金請求は専門家へご相談ください

てんかんの障害年金請求は、精神疾患特有の書類を用いながらも、実質的には「発作の臨床所見」が審査の鍵を握る特殊な分野です。

「自分の発作頻度で2級に該当するのか」「20歳前障害年金の診断書をどう依頼すべきか」など、お悩みの方はぜひ一度、大阪・泉南エリアで障害年金に強いあずさ国際年金・労務事務所の無料相談をご利用ください。

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