年金申請は全国どこでも申請可能 統合失調症で障害基礎年金の申請完了

先日、出張先の東京の街角年金センターで無事統合失調症での障害基礎年金の申請が完了しました。

多くの行政手続きは住まいの住所地等を管轄する役所に申請しますが、年金請求はどこでも申請が可能です。(社会保険の会社関係の手続きは管轄の年金事務所でないと申請不可ですが。)

今月も終わり(年金は受給権が発生する翌月から支給されるので、月末に申請するのと月初に申請するのでは1日の差で1か月の差が生じる可能性が有ります。)かけで若干申請を急いでいたので出張先の東京で申請が完了しました。ただ、今後、申請した書類に不備があった場合の補正などのやり取りは提出先の年金事務所で行うことになりますが、基本電話や郵送でのやり取りなので特に遠隔地で申請しても問題はないと思います。

 

 

 

 

申請案件の説明

 

基本情報

申請人は50代、配偶者あり、子供あり(20歳を超えている)

 

20代前半で統合失調症を発症し約30年闘病生活を送られる。その間も病状に改善が見られず現在に至っている。

精神保健福祉手帳はありで、2級を保有している。

精神保健福祉手帳は平成15年頃に取得し、現在まで更新継続していますが障害年金の手続きは漏れていた様子です。

 

 

論点

 

① 初診の病院で受診状況等証明書の取得ができない。

(初診の病院ではカルテが破棄されている。)

この申請人は30年程闘病生活を送られているので、初診は30年前と古いです。その間、転院回数は1度しかなく、現在の病院は2院目になります。

(初診の病院⇒A病院 診断書作成の病院⇒B病院とします。)

A病院自体は4カ月ほどしか通院していなかったので、カルテ自体は30年前になり、その保存状況が一つの論点になっていました。

A病院は名前を変えて現在でも存在していたので、電話で30年前のカルテが保管されているか確認すると、当然ながらカルテ破棄との回答が返ってきました。

受診状況等証明書は診断書を作成してもらう病院が初診でない場合に求められる書類で、もし、B病院が初診の病院なら提出不用の書類になります。

本来受診状況等証明書は取得できる病院まで過去から未来へ下っていって取得していきますが、この案件では1度しか転院していないのでB病院が次の病院になるのでB病院で受診状況等証明書の取得の必要性はなくなります。

幸いなことに、B病院にはA病院からの紹介状が保管されており、その紹介状に申請人の当時の状況や発病時期、初診の日付が記載されていたことからこの情報で初診日の特定が可能になりました。そのためB病院の診断書にはこのA病院受診時期の日付を記載して貰い一応の初診が特定となりました。

受診状況等証明書が提出できない代わりに、「受診状況等証明書を添付できない申立書」を作成し提出しました。そこに、A病院からB病院に向けて書かれた紹介状を参考資料として添付しました。

 

これで、初診日の特定作業が完了しました。あとは、行政がそれをどの様に評価するかという問題になります。もし、問題なければ初診日が特定され、そこで保険料納付要件・障害認定日・請求できる年金が確定します。

 

終わりに

長期間闘病中の方が障害年金を申請する場合、初診の記録が古く、この案件みたいに受診状況等証明書が取得できない場合が多いです。以前なら証明ができないので障害年金の申請が不可になっていましたが平成27年頃に出された「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3901&dataType=1&pageNo=1

初診日証明の緩和の通達より柔軟的に初診日の特定が可能になりました。

初診日の証明で困られている場合は是非ご相談ください。