スタージ・ウェーバー症候群 で障害年金 成功事例
事例紹介
Oさんのケース
障害名 スタージ・ウェーバー(Sturge-Weber)症候群・知的障がい・てんかん
請求する年金:20歳前の障害基礎年金
年金請求方法:事後重症請求
相談への経緯
① 20歳の時点で20歳前の障害基礎年金をご自身で請求するが不支給決定となりました。
② 就労継続支援A型での就労が決まる。社会保険加入
③ 就労継続支援A型では比較的安定し雇用が継続できていた。
④ 数年経過し再度障害年金にチェレンジしたいと相談に来られる。
具体的な手続きの方向性の検討
① 前回の年金請求がなぜ、不許可になったかの確認のため、厚生労働省に前回請求した障害年金の書類一式を開示してもらうために個人情報開示手続きを行う。
② 本人、保護者、福祉施設の職員から成育歴、病歴などのヒアリングを行い、過去の整理を行う。
③ 病歴の確認で先天性の難病(スタージ・ウェーバー症候群)が原因で知的障害とてんかんが発症している可能性が高く、知的障害とてんかんも相互では因果関係があるので、2障害で障害年金の請求を検討しました。
④ 精神の障害以外にも身体障がい者手帳7級を保有されていました。障害年金の請求には併合認定という考えもありますが、身障7級程度の障害を精神の障害と同時申請しても等級は上がらないので身体障がいの診断書を提出しませんでした。
⑤ てんかんは障害認定基準に具体的な障害等級に対応する障害の状態が明記されているので、それをもとにヒアリングしないと空振りに終わります。
⑥ 日常生活の判定は知的障害とてんかんの症状を加味してヒアリングを行いました。
⑦ 日常生活の程度は知的障害とてんかんが重複していたので、最終的には医師の判断にて精神障害(てんかん)でチェックがはいり診断書作成をしてもらいました。
書類関係の作成
① 受診状況等証明書 初診は出生時に判明した心疾患とスタージ・ウェーバー症候群の間で因果関係があると感じたので出生時の病院で作成してもらいました。
② 知的障がいは昭和43年2月23日庁分発第2149号が現在も引き継がれているので、出生日が初診日という扱いになります。てんかんに関しては知的障害との因果関係がある場合は同一傷病と考えられ、もし、因果関係がない場合は別傷病扱いとなるので医師の判断が重要になります。ただ、この事例はスタージ・ウェーバー症候群が原因で知的障害とてんかんが発生しているのでスタージ・ウェーバー症候群で受信状況等証明書を作成してもらいました。もし、知的障害が原因でてんかんが生じているなら同一傷病で受信状況等証明書の提出が不要の可能性もあります。
③ 診断書はスタージ・ウェーバー症候群、知的障害、てんかんの3つを記載し請求しました。スタージ・ウェーバー症候群は精神の障害ではないので書く必要ないという意見もありますが、提出先の区役所の方と相談した結果、記載してほしいとのことだったので記載してもらいました。障害年金などを含めて許認可の申請をする場合、あまり関係のない内容を加えるのはその部分の指摘を受ける可能性があるので正直記載して貰いたくなかったですが、先方も言っているので記入してもらいました。
診断書の中身自体は3つの病名を総合的に評価した内容を記載してもらっています。
④ 病歴就労状況申立書も当然ながら3つの病名で作成しました。病歴就労状況申立書は障害ごとに作成します。本来なら知的障害、てんかん、スタージ・ウェーバー症候群で1枚づつ作成しないといけませんが、てんかんと知的障害は同じ精神系の疾患ということで1枚にまとめることが可能です。スタージ・ウェーバー症候群は神経疾患系の病気なので本来なら別で申立書を作成すべきですが、それ単独での症状があまりヒアリングできなかったので、知的障がい、てんかんでまとめて作成しました。結局、3つの病名を1枚の病歴就労状況申立書にまとめて作成しました。
結果
① 無事、事後重症請求にて20歳前の障害基礎年金の受給が決定しました。
② ただ、初回の認定期間は1年でした。これは、診断書の日常生活の程度が精神障害で書かれていたからだと推測します。経験上知的障がいで1年の認定期間で認められたことはありませんでした。
参考資料
昭和43年2月23日庁分発第2149号
(問)
知的障害(精神遅滞)者は、医学的には先天性のものとされているので、初診日の如何を問わず障害福祉年金(現在の障害基礎年金)として取り扱うべきものと解してよろしいか。
(答)
お見込みのとおり。