事例紹介

Aさんのケース

障害名 双極性感情障害

請求する年金:障害厚生年金

年金請求方法:事後重症請求

論点

 

病院を数か所転々として、その間に数年単位で通院を自己中断した期間があるが、それでも初診の病院を障害年金の初診日として認められるか?

 

相談概要

 

① 13.14歳ごろから周囲となじめず情緒不安定でリストカットなどしていた。

② 大学進学するが、就職はできずに地元に戻り非常勤として就労する。

③ 非常勤職員時代もストレスが多く、結局一年で退職している。

④ その後は派遣会社を転々としている。その間も仕事がうまくいかずに強いストレスを受けていた。

⑤ 厚生年金に加入中に1件目の病院に通院。 双極性感情障害と診断される。通院は主治医と合わずに数回で自己中断している。

⑥ その後、1.5年ほど通院せずに、派遣会社にて就労を続ける。

⑦ 仕事のストレスが増加し、うつ症状が強くなり、2回目の病院に通院を行う。

ただし、その病院の主治医とも合わずに数回で自己中断している。

⑧ その後、2年ほど通院せずに就労したが、うつ症状が悪化の一途を辿り3件目の病院に通院するようになる。その医師とは相性があい、現在でも通院している。障害名は双極性感情障害である。

⑨ 通院しても病状は一進一退で就職も上手くいかないもどかしさから自殺未遂を起こしている。

⑩ 一時は入院も視野に入れていたが金銭的な負担が多く断念し、経済的負担を少しでも緩和するために医師から障害年金を進められて相談に来られる。

 

 

具体的な手続きの方向性の検討

 

① 精神保健福祉手帳3級を保有されていたので一定の障害状態にあることは理解でき、また医師も障害年金を後押ししていることから診断書の作成は可能と判断した。

② 保険料の納付状況の確認の為に年金事務所から被保険者記録照会回答票を送付してもらい、過去の社会保険の加入履歴や保険料の納付状況を確認する。

③ 通院歴をヒアリングし、とりあえず初診であろう病院に受診状況等証明書の作成を依頼する。因みにその病院が初診かどうかは受診状況等証明書の「発病から初診までの経過」と「前医からの紹介状はありますか?」の記述や診断書、病歴就労状況申立書などから総合的に判断されます。

④ 初診日が確定後、障害認定日の日付を計算するがその時期は通院していなかったので認定日請求は諦め事後重症請求での請求を検討する。

⑤ 成育歴、病歴、就労歴を丁寧にヒアリングする。

⑥ 特にここ最近に自殺未遂を起こしていたので、その事件の経緯や未遂後の精神状況について丁寧にヒアリングを行う。

⑦ 金銭管理に難がある方で、現状家族が管理していることがヒアリングできたので診断書作成に際しての医師への参考資料とした。

⑧ 現在は無職なので診断書には無職と記載してもらった。過去の就労状況を別紙にまとめて提出まではしていないが、病歴就労状況申立書には今までの業務内容、退職理由、困った点などはヒアリングし詳細に記載する。

 

結果

 

障害厚生年金2級が支給され110万円ほど支給される。

危惧していた自己中断していた数年の期間も障害が継続していると考えてくれたみたいで、初診に加入していた障害厚生年金での請求が認められる。

認定期間は2年。

注意点

診断書に発達障害を疑わせる部分にチェックがはいってたので、病歴就労状況申立書は出生時から現在まで記載が必要だった点です。

請求する障害名に発達障害と記載されているだけではなく、既往歴、既存障害など一見関係なさそうな部分も対象になるので注意が必要です。

発達障害疑わせる部分にチェックがあれば注意です。下記の診断書で言えばⅧの部分です。ここにチェックが入れば病歴就労状況申立書に出生時からの状態を記述しないといけなくなります。