診断書無しで遡及請求?
先日現在事後重症受給している状態で障害認定日請求を行いました、
障害年金は比較的手続きの幅が広く、一度決まった決定も後で覆し変更できる場合もあります。この手続きもその一環です。
しかも、この手続きで面白いのが障害認定日の診断書が無い状態で申請したという事です。
障害年金は基本診断書を用いて審査をしてもらうので診断書なしで審査するというのが有り得ない話です。この話はあとで詳しく説明します。
事後重症決定後の障害認定日請求
障害認定日の診断書が提出できないなど、何かしらの理由で事後重症での年金が決定した後に、あらためて障害認定日請求を行うことができます。その際には受診状況等証明書や直近の診断書は不要です。
必要書類
① 年金請求書(請求事由が「認定日請求による請求」
② 認定日からの3カ月以内の診断書
③ 加算対象者がいる場合は、生計維持を証明する資料
④ 年金証書
⑤ 取り下げ書(事後重症による請求を取り下げるもの)
⑥ 前回請求時から今回請求時までの病歴就労状況申立書
⑦ 前回請求時に事後重症請求とした理由が矛盾している場合には、その理由を説明する文章(理由書)
この請求手続きをする代表例としては①カルテが見つかった②先生に再度確認すると認定日の診断書を作成してくれた等です。
この手続きは迷っているなら早くする方が良いです。理由は遅くなれば遅くなるほど認定日で認められた年金額が減るからです。
障害認定日のカルテが無くても認定日請求ができるケース
通常、認定日請求を行うには障害認定日から3カ月以内の診断書(20歳前の場合は障害認定日前後3カ月以内の診断書)が必要ですが、請求する障害においてはそれらが不要な場合が有ります。
大きく分けて2パターンです。
① 傷病の特性による場合
症状が固定して治療の必要ないケースです。例えば肢体切断、視力障碍、視野障害、人工透析継続などです。
特に20歳前の障害基礎年金の場合、例えば幼少期の頃に肢体切断した場合、治療自体はその当時に完了している場合が多く、わざわざ20歳の時点で通院はしないでしょう。
明らかに障害があり、その障害が固定的あるいは不可逆的な場合に認められる例外的な扱いです。障害認定日の診断書の代わりに身体障害者手帳取得の際の診断書や当時のカルテなど何かしら客観的な資料の提出が求められます。
② 障害認定日から3カ月以内に近い診断書で請求する場合
認定日3カ月以内のカルテが無いので診断書は作成できないが、それに近いカルテがあるのでそれに基づいて診断書を作成して請求する方法です。
具体的にいつまでの診断書ならOKとの決まりは当然ながら無いので、審査によるという結論になります。
本請求においてはどちらのパターン?
本請求は両方当てはまるイメージです。
本請求の障害は知的障害です。知的障害は、障害年金上は精神疾患に分類されますが、その中でも変化が比較的少ないものにカテゴライズされます。実際の請求では診断書の代わりに21歳頃に受診した医師の意見書(この病院が廃院になっているのでカルテは取れず)と同じく21歳頃に受けた療育検査の判定に用いられた心理学的判定書を提出しました。
心理学的判定書は各自治体で様式が有るのかもしれませんが、大阪市内では手続きすれば開示されます。ただ、中身はADLを中心に記載されており、どちらかというと特別児童扶養手当の診断書に近い内容になっています。
あと、障害認定日から3カ月以内に近い診断書という事で事後重症請求の際に提出した診断書を提出しました。精神科に事後重症請求の診断書を作成するまで通院したことが無かったので、障害認定日に近い診断書はこの診断書になります。医師も「障害認定日の頃は分からず書きようがない」との判断で以前と全く同じものを提出するという流れになりました。
終わりに
正直この請求が通る可能性は非常に低いと考えますが、保護者の希望で行った次第です。
ただし、以前私も障害認定日の診断書が取れないが事後重症の診断書で認定日が認められたこともあったので可能性はゼロではありません。
しかし、非情にイレギュラーな申請方法です。年金事務所からも受付拒否される可能性も高い手続です。もし、この様なケースをご検討の場合は是非社会保険労務士にご相談ください。スピード感をもって対応していきます。