202041日から大企業で202141日から中小企業から同一労働同一賃金が施行されます。同一労働同一賃金は働き方改革の一貫の政策で雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を目的としています。働き方改革自体が労働人口減少時代に備えて生産性を高めようとする政策で、その中で同一労働同一賃金が正規非正規の不合理な賃金格差をなくし非正規社員の賃金の底上げを図る役割を担っています。

同一労働同一賃金と聞くと、同じ仕事をするなら同じ賃金と考えるのが妥当で世界的にはこの考えが主流で仕事に対して賃金が決められる職務給が大半です。一方日本は戦後人に対する賃金という側面が強く職能給が主流なので、同じ仕事をしていても人により賃金が違うことが日常でした。1990年代の日本は非正規社員の割合が低く正社員という働き方が主だったので正規間同士の格差はあっても正規・非正規の格差はあまり問題になりませんでした。当時非正規社員はサラリーマンの妻や学生バイト等が中心で彼等は生活に困窮していないため。しかし、2000年代に入り非正規社員が雇用全体の1/3を占めるようになり、正社員を希望したが願い叶わず仕方なく非正規社員で働いている層が現れ、彼等の処遇が問題になり始めました。その間にも労働契約法が改正され有期契約から無期契約転換規定など非正規社員の待遇向上を目指した法改正や一部の正規非正規の待遇格差是正を目的とした政策が行われましたが今年の4月からすべての有期契約労働者・有期契約パート・無期契約パートと正社員との不合理な待遇格差是正を目的とした同一労働同一賃金政策がスタートした次第です。

うちには関係ないと鼻から突っぱねている会社様や興味はあるが何から手を付けたらよいのかと悩まれている会社様も多いのではないでしょうか?確かに所謂非正規社員と言われるパート、アルバイト、契約社員おらず正社員しかいない会社なら関係ないです。でも何らかの形で非正規社員を雇用しているケースはあるのではないでしょうか?例えばコンビニを例にとると雇われ店長とバイトリーダー等はまさに同一労働同一賃金の世界です。もし両者の業務内容が同じなら均等に処遇しないといけませんし、業務内容が違ったとしても両者の基本給・手当等に均衡が求められもし不合理な差があれば不合理性を解消するまで両者の待遇差が埋まることになります。

同一労働同一賃金を検討する際にポイントになるのはまず仕事の洗い出し、雇用形態に伴う労働条件の差を明確化することから始めます。その差が分かればあとはその差が合理的かどうかチェックしていき、最終的には労働者を雇用する際に説明できるようになる必要があります。非常に面倒ですが、この説明義務を放棄できません。放棄した場合労働局か助言・指導・勧告の処分が下されることになります。そうならないために少しづつでも雇用形態ごとに仕事の洗い出しを行いまず業務の明確化から始めてみませんか?