厚生労働省関係の書類の押印不要について
2020年12月終わりごろ、厚労省関係の申請書類で一斉に押印が不要になりました。この流れは河野大臣の鶴の一声で進み始めた取り組みで画期的です。しかし、その反面、押印が無いので修正には差し替える必要が生じ、今まで捨印で事が足りていないのが今後はできなくなる不便さも露呈しました。そのため、私は助成金の申請などはあえて事業主押印と捨印をして修正できるようにしています。
押印が廃止となり2か月経過しましたが、雇用関係助成金は押印が廃止され、社会保険納入証明書も押印が不要になりました。社保や雇保の手続きは電子申請を導入していたので紙の書類を触っていないので分かりませんが、多分廃止されたのでしょう。
最近障害年金の申請の為に窓口に行き、そこで障害年金の裁定請求書を数枚もらうと、頂いた裁定請求書には押印欄があったので、まだ請求書関係は押印が必要なのかと思いましたが、この原稿を書くにあたりネットで調べると請求書の押印欄もきれいに削除されていました。
確かにハンコは面倒くさいと常々思っていましたが、一方で会社の実印を押すことで真正な申請書であると証明できていたのが、今はそれができません。そのため、なりすまし申請なども今後増えてくるのかと思います。代表取締役以外が窓口に紙の申請書を提出する場合は委任状が必要ですが郵送の場合委任状は不要で手続きが可能です。また窓口に行く際の委任状も押印不要でよいなら個人で作成し放題なので不正取得が増えるのではと考えてしまいます。確かにこれらは犯罪行為なので普通の人はしませんが、面白おかしくするような人が増えそうな気もします。
社会保険料納入証明書について
そろそろ本題に入ります。
社会保険料納入証明書は会社が社会保険料をきちんと納めているかの証明で、建設関係の入札の際にも活用される様子ですが、私は助成金の申請の添付書類としてでしか活用したことはありません。助成金では主に人材確保助成金でよく活用します。
因みに社会保険料納入確認書という類似の証明書もあります。正直私は違いがよく分からないのですが、助成金の申請ではどちらでも可となっています。
この書類も押印が不要なので、事業主の印鑑なく取得が可能なので助成金の申請の書類集めは楽になる反面、書類の真実性の確保をどの様にするのか疑問が残ります。
取得は窓口や郵送でも可能です。従業員が社長の代わりに取りに行く場合社会保険料納入証明書の下記にある委任欄に氏名を書けば代理で受け取ることは可能です。当然ながらここでも押印が不要です。
終わりに
行政書類の押印不要は手続きがスムーズな反面、本当にこれでよいのかと疑問を持ちます。ここまでスピード感をもって行政改革ができたのは素晴らしいですが、全て右に倣えで多くの書類で押印を廃止するのはどうなのかと感じます。