2-1 請求する際に必要な診断書
2-1-1 診断書の種類について
障害年金の診断書は部位別に8種類に分かれています。
障害に応じた診断書を活用し請求します。
複数の障害が重複する場合、それぞれに対応した診断書を提出しますが、出せば出すほど有利になるわけではありませんので注意が必要です。例えば、知的障害と身体障害7級程度の障害が重複する場合、肢体の診断書を提出しても等級に影響を与える可能性は限りなく低いと思われます。
なので、どの障害の診断書を提出するかは障害年金を熟知した社会保険労務士や年金事務所の人に相談することをお勧めします。
(様式第120号の1) | 眼の障害 | 白内障・緑内障・ブドウ膜炎・視野障害等 |
(様式第120号の2) | 聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害 | 突発性難聴・感音性難聴・メニエール病・咽頭がん・失語症等 |
(様式第120号の3) | 肢体の障害 | 脊髄損傷・上肢下肢切断・関節リュウマチ・脳梗塞・人工関節・線維筋痛症等 |
(様式第120号の4) | 精神の障害 | 知的障害・発達障害・統合失調症・うつ病・双極性障害・高次脳機能障害・てんかん等 |
(様式第120号の5) | 呼吸器疾患の障害 | 気管支喘息・慢性気管支炎・関節性肺炎・肺気腫・肺結核など |
(様式第120号の6-1) | 循環器疾患の障害 | ペースメーカー・人工弁装着・狭心症・心筋梗塞等 |
(様式第120号の6-2) | 腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用 | 慢性腎不全・肝硬変・糖尿病・ネフローゼ症候群等 |
(様式第120号の7) | 血液・造血器疾患、そのほかの障害用 | がん・HIV・再生不良性貧血等 |
2-2-1 いつの診断書を提出すればよいの?
前回、障害年金の申請方法2種類+1を説明しましたが、請求する方法で提出する診断書が異なってきますので注意が必要です。
2-2-2 認定日請求(本来請求の場合)
認定日請求は初診日から1年6か月経過した障害認定日の障害状態で請求する方法です。その際に提出する診断書は障害認定日時点の診断書になります。ただ、これだとものすごいピンポイントになるので障害認定日以後3カ月以内の診断書を提出すればよいと幅を持たしてくれています。
認定日請求する場合の診断書⇒(障害認定日以後3カ月以内の診断書)
これは言い換えると、障害認定日以後3カ月以内に病院に通院していないとカルテが無いので診断書を書いてもらえないことを意味します。継続的に通院しているけど、たまたまこの期間通院が無い場合は注意が必要です。
2-2-2 認定日請求の例外(20歳前の障害基礎年金の場合)
20歳前傷病(20歳前に請求する障害で初診日があるケース)での場合の障害認定日は、20歳の誕生日前日が障害認定日となります。
20歳前傷病の場合、障害認定日以後3カ月は無論、この場合は例外的に障害認定日前3カ月の診断書でもOKです。
20歳前傷病で請求する場合の診断書⇒(障害認定日前後3カ月以内の診断書)
例えば、20歳前傷病で誕生日が8/15を想定すると、5/14~11/13の間の診断書なら認定日請求が可能です。
因みに、いくら診断書が20歳誕生日前日から3月以内の診断書でOKと言っても、実際に請求を行うのは20歳の誕生日の前日からになるので注意が必要です。
2-3-1 事後重傷請求
事後重傷請求は、障害認定日の時は障害等級に該当しなかったが、その後障害状況が悪化して障害等級に該当する場合に請求する方法です。この場合は請求日から前3カ月以内の診断書が必要になります。
事後重傷請求⇒請求日から前3カ月以内の診断書
2-3-2 遡及請求
障害認定日には障害状態に該当していたが、その時は請求できずに障害認定日から1年以上経過した後に、障害認定日まで遡り請求する方法です。
障害認定日以後3カ月以内の診断書と請求日から前3カ月以内の診断書が必要です。
遡及請求⇒障害認定日以後3カ月以内の診断書と請求日から前3カ月以内の診断書
2-3-3 請求方法のまとめ
請求方法 | 必要な診断書 |
認定日請求 (本来請求) | 障害認定日以後3カ月以内 |
20歳前傷病で請求する | 障害認定日前後3カ月以内 |
事後重傷請求 | 請求日から前3カ月以内 |
遡及請求 | ① 障害認定日以後3カ月以内 |
② 請求日から前3カ月以内 |