以下の表は「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」にある「障害等級の目安」で、これに沿い等級判定の実務が行われています。

この表は「判定平均」と「程度」の位置関係で障害等級の目安が分かる仕組みになっています。例えば「日常生活の判定」の平均値が1で「日常生活能力の程度」が2の場合、3級非該当になります。障害基礎年金は2級まで、精神系の障害厚生年金は3級までなので3級非該当は障害年金が不支給の可能性が高いです。また「日常生活の判定」の平均値が3で「日常生活能力の程度」が3の場合、障害等級の目安は2級になります。このように、ここで出た目安の等級で大体の年金の等級が予測できますが、あくまでも目安なのでこの通りにならないことはよくあります。

以下で「判定平均」の算出方法と「程度」の考え方について説明します。

 

日常生活の判定で「適切な食事」を例に挙げると、「できる」から「助言や指導をしてもできないもしくは行わない」までの4項目に点数をつけます。「できる」を1点、「自発的にできるが時には助言や指導を必要とする」を2点、「自発的かつ適正に行うことはできないが。助言や指導があればできる」を3点、「助言や指導をしてもできないもしくは行わない」を4点とします。例えば日常生活の判定、7項目全部「できる」なら1×7項目÷7=平均1点となります。

日常生活の程度は知的障害と精神障害に分かれています。よく、知的障害と精神障害どちらを記載しますかという質問を頂きますが、第一は主治医の判断になります。精神と知的障害が重複する場合は、どちらか一つを選んでもらう必要があります。

 

上記の通り算出した、日常生活能力の判定の平均値と選択された日常生活能力の程度を「精神の障害にかかる等級判定ガイドライン」の表1「障害等級の目安」に当てはめ障害等級の目安を算出します。

  「2級又は3級」の壁に注意 

 

知的障害で多いのが医師のチェックの結果、「2級又は3級」の障害等級になるケースです。ここに該当すると3級の可能性があるので、障害基礎年金(等級は2級まで)は不支給になるケースが多いです。

「2級又は3級」は、「日常生活能力の程度」が3で「日常生活の判定」の平均値が2.0から3.0未満の為に生じます。

「日常生活能力の程度」が3になるケースで多いのが、就職している、又は就職はしていないけど障がい者の就労支援施設で就職を目指して訓練をしている場合です。知的障害の「日常生活能力の程度」3を見ると、「家庭内で単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である」となっており、4は「日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。」となっています。文書だけ見ると就職されている方に対して4で評価しずらい医師は多いのではないでしょうか?

次に「日常生活の判定」に関しても、例えば「日常生活能力の程度」が3の場合、単独2級を目指そうとすると、「日常生活の判定」は3.0必要になります。

ただし、その3.0のハードルが高いケースが多いと思いますし、特に就労していたり、自立度の高いケースは厳しいと感じられる方も多いのではないでしょうか?単純に3.0を目指そうとすると当然ながら「日常生活能力の判定」の多くが3.0である必要があります。どれか1項目でも2.0があればそれで平均値が3.0を割ってしまい年金が厳しくなります。

なので、この「日常生活能力の判定」についてどのようにお医者さんにチェックしてもらうか重要です。一つポイントになるの「単身生活」で日常生活能力を判断する点で、この視点から「日常生活能力」についてヒアリングを行い、また医師にも単身生活での日常生活能力を考えてほしいと伝えます。医師もよくこの単身生活の視点が抜けたまま「診断書」を作成しているケースがあるので要注意です。

知的障害の場合、家族がいるので「安心感もあり調理ができる」「母親がお金をきちんと管理しているので、ひと月分の小遣いを渡しても使い切らない」等が多くあると思います。そのため、知的障害の親御さんらは心を鬼にして本人単独でやらしてみて「できる」「できない」の判断を考えていくのは如何でしょうか?

また、「できる」「できない」の判断基準を用意してヒアリングすることをお勧めします。例えば、「適切な食事」で考えると、「自分で単独調理ができないから」できない安直に考えるのではなく、自分が食べたいものを自分の力で考えることができるが、具体的にどのように調理すればよいのか分からない場合が多い。また、調理法を本やネット調べてまで勉強は行わない。いざ、調理に入っても包丁を上手く使用できずに、具材を手で押さえずに切ってしまうので上手く切れない。具材をお湯で煮込もうとするが、どのタイミングで具材を入れてよいのか分からない場合があるので、調理が進まない。料理ができても、お皿に移し替えずにそのまま食べたりする。それらを総合的に考えると単独で適切に調理を行うこと難しいという感じで、何ができて、何ができないかを具体化して、エピソードを交えて説明する方が診断書作成する医師もイメージが湧くので診断書作成がスムーズに進むと思います。