事例紹介

【障害年金受給事例】障害者手帳を未保有でも障害年金が受給できた事例。

 

Cさんのケース

 

障害名 双極性感情障害

請求する年金:障害厚生年金

年金請求方法:事後重症請求

 

基本情報

 

① 家族と同居(配偶者あり)

② 精神薬多数服用あり

③ 平成5年初診日があり、現在まで通院中断期間はない。ただし、転院先の病院が数か所不明。

④ 請求時は無職(過去に就労歴はあり)

 

相談への経緯と相談経過

 

① 計画相談事業所より障害者手帳が無くても年金請求は可能かと問い合わせが入る。

② 初回のヒアリングにて初診日を確認すると20年以上前とのこと。ただ、初診の病院は覚えていた様子。

③ 病名は「うつ病?」らしい様子で、先生に聞いたこともないし教えてももらっていないとのこと。⇒精神系の障害年金は病名が大事でICDコード F40関係は原則認められません。

④ ヒアリングの結果、精神疾患なので保険料の納付要件の確認のため被保険者記録照会回答票を年金事務所から取り寄せる段取りをとる。

⑤ とりあず、初診と考えられる病院に受診状況等証明書の作成を依頼する。

 

⓺ 確認するとカルテ(カルテの保管は5年なので、よく破棄されているケースもあります。しかし、大病院などは電子カルテで保管されていたりするので諦めずに病院に確認してみましょう。)が保管されていた様子で、ひと月ほどで書類が完了する。

 

⑦ 初診と現在の病院とそのひとつ前の病院以外で2つどこに通院していたのか分からない病院があったので、「通院あり」「通院していた病院は不明」で病歴就労状況申立書は作成する。

 

具体的な手続きの方向性の検討

 

① 精神保健福祉手帳は保有していなかったので、手帳無しで申請を行う。障害年金は手帳の有無は問われません。精神保健福祉手帳は初診から6か月経過で手帳取得の診断書の作成をしてもらえます、年金は1年半必要なので、順番で行けば手帳が先なので手帳が無いとダメと考えられるのではと思いますが、関係はありません。

 

② 前医の存在が確認できない受診状況等証明書を取得できたので、初診日が確定しました。(最終的には現在の医師が、これが現症の障害の初診日かの確認を行いますが、とりあえず、この日付を初診日とします。)初診日が確定すると障害認定日が確定するので、事後重症請求する場合は遡及請求も検討します。ただし、本件は障害認定日の病院が不明なので申請できずに事後重症請求となります。

 

③ 現在は無職ですが、以前就労していた経験があったので、就職の経緯、状況、課題等を丁寧にヒアリングしました。障害年金では労働能力についても問われるので、過去の情報でも就労の時どのような状況だったのか聞くのは重要です。

 

④ 発達障害の傾向はなかったので発病前から現在までの状況をヒアリングし、病歴就労状況申立書にまとめました。

 

 

書類関係の作成

 

① 受診状況等証明書(初診の病院で作成)

② 病歴就労状況申立書は双極性感情障害をベースにヒアリングし記入する。

③ 診断書の「日常生活能力の判定」の平均値は3.2 日常生活の程度は精神障害で ④

障害等級の目安から単独2級の結果です。

④ 不明だった病名は「双極性障害」に決まりました。

 

結果

 

① 無事、事後重症請求にて障害厚生年金2級の受給が決定しました。

障害基礎年金 約80万円、配偶者加算 約28万円 障害厚生年金 約50万

でトータル160万となります。

② 障害者手帳が無くても障害年金が下りることが実証されました。

③ 通院はしていたが、どこの病院に通院していたのか分からず、不明で病歴就労状況申立書を作成しましたが、今回は特に影響はありませんでした。