【障害年金受給事例】20歳を遠に過ぎた50歳時点で知的障害が発覚したが、「20歳前の障害基礎年金」の受給ができた事例

 

Mさんのケース 事例紹介

 

障害名 軽度精神遅滞

既存障害 うつ病・パニック障害

請求する年金:20歳前の障害基礎年金

年金請求方法:事後重症請求

 

基本情報

 

① 家族と同居

② 精神薬多数服用あり

③ 通院は自己中断なく継続してできている

④ 当時は無職(基本はアルバイトを転々、最近は就労継続支援A型利用していたが人間関係のトラブルで継続できず。)

相談への経緯

 

① 出生時より発育の遅れは確認でき、小学校進学時は養護学級進学も視野に入れていたが、家族の反対で普通学校に進学する。

② 小中学校は普通学級だったので、勉強についていけず成績は悪かった。

③ 高校は私立高校に進学しその後、短期大学に進学する。(成績は悪い)

④ 短大卒業後、親族の会社で1年ほど就労するも人間関係で悩み退職する。

⑤ その後は、アルバイトを転々としつつ自宅に引きこもりがちになる。

⑥ 平成6年ごろから食事がとれなくなり、過呼吸で電車にも乗れなくなり、精神科への通院を開始する。そこで、うつ病・パニック障  害と診断される。その後、自宅近くの病院に転院し数十年通院する。そこでも同様の病名の診断が下される。

⑦ 2件目に通院していた病院の医師と関係性が悪くなり再度転院する。その病院で軽度精神遅滞の可能性を指摘され知能検査を受け、療育手帳B2が発行される。

 

具体的な手続きの方向性の検討

 

① 通院は一貫して継続できており、当時からうつ病・パニック障害の診断が下り、後に知的障害の診断が下っていることから、どの障害でどのように請求するか検討が必要。

② ヒアリングの結果、うつ病、パニック障害で通院を開始した日を初診日、その1年半後を障害認定日として請求は可能だが、当時の医師が診断書作成に対して消極的とのことなので診断書依頼は断念し事後重症請求にて請求を検討する。

③ 現医師の下で知的障害が判明したので、知的障害を理由に請求するか、うつ病で請求するかの議論になる。

④ 主治医、本人とも相談した結果、20歳前の障害基礎年金は所得制限はあるものの、今後の就労の可能性を視野に入れると精神障害より知的障害で請求する方が有利と考え、知的障害での請求となる。

⑤ 本人、保護者、から成育歴、病歴、就労歴などのヒアリングを行い、過去の整理を行う。特に知的障害が請求時点で発覚していたので出生時から20歳前後まで重点的にヒアリングを行う。

⑥ 診断書 裏面 日常生活能力の判定は知的障害、うつ病、パニック障害も加味してヒアリングを行う。

 

書類関係

の作成

 

① 受診状況等証明書は不要。不要理由は知的障害をベースで請求するので。

② 知的障害は昭和43223日庁分発第2149号が現在も引き継がれているので、出生日が初診日という扱いになる。なので、20歳以降に知的障害が発覚しても障害年金の場合の初診日は出生日となるケースが多い。

③ 病歴就労状況申立書は知的障害での請求なので知的障害のみを記入して申請する。

④ 診断書の請求する障害名は知的障害、既存障害にうつ病。パニック障害を記入。

⑤ 診断書の日常生活能力の判定は平均値2.8 日常生活の程度は知的障害で ④

 

障害等級の目安から単独2級の結果となる。

結果

 

① 無事、事後重症請求にて20歳前の障害基礎年金の受給が決定しました。

終わりに

改めて知的障害はいつ発覚しても初診日は出生日であると再認識できた事例でした。

このケースは医師と意思疎通ができたのでスムーズに申請が行えましたが、中には一向に進まないケースもあります。

請求で行き詰った場合は是非社労士にご相談ください。最適な方法を検討してご提案します。

 

 

参考資料

 

 

昭和43223日庁分発第2149

(問)

知的障害(精神遅滞)者は、医学的には先天性のものとされているので、初診日の如何を問わず障害福祉年金(現在の障害基礎年金)として取り扱うべきものと解してよろしいか。

(答)
お見込みのとおり。