知的障害の場合の病歴・就労状況等申立書の書き方  その3

書類相互間の矛盾

行政手続き全般で言えることかもしれませんが、書類相互間間の矛盾は宜しくなく不許可理由になる可能性が高くなります。

障害年金も同様で診断書と病歴・就労状況等申立書の間で中身に矛盾があると不支給になる可能性があります。

なぜ、書類相互間で矛盾が生じるのでしょうか?

その答えの一つに診断書と病歴就労状況申立書の作成者が異なるからです。診断書は医師が作成し、病歴・就労状況等申立書は本人や家族が作成するものなので、何もしなければ書類間で矛盾が解消される訳はありません。しかし、その差を少しでも埋める方法があります。それは、診断書作成までに病歴・就労状況等申立書を作成し、それを参考にしてもらい医師に診断書を作成してもらう方法です。成育歴、病歴、就労歴等の情報は診断書作成時に医師も知りたい情報なので事前に病歴・就労状況等申立書を作成しそれを見てもらうのは喜ばれることが多いと経験的に感じています。また、私も年金のお手伝いをする際にはその様にしています。

 診断書作成の流れ

 流れとしては ① 病歴・就労状況等申立書の案作成 ⇒② 診断書作成⇒③ 病歴・就労状況等申立書の作成(診断書を参考に)の感じです。最終的には診断書と照らし合わせ、矛盾がない様に仕上げます。

もう一つのよくある矛盾点としては、病歴・就労状況等申立書に記載する日常生活状況も重要で診断書の「日常生活能力の判定」との整合性が問われる点です。診断書の「日常生活能力の判定」が比較的「できない」方向にチェックされているのに病歴就労状況申立書の日常生活の状況が比較的「できる」方にチェックすると両者で矛盾が生じていることになり、不支給となる可能性があります。

書類を提出する際は事前には書類全体での整合性が取れているかの確認が必要です。障害年金は障害の状態が悪化すれば再申請は可能ですが、以前不支給だった記録は残ります。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる訳はなく、しっかりした書類を用いて一度で成功させないと後々面倒くさくなるので注意が必要です。