「軽度の知的障害だけど、障害年金はもらえる?」「療育手帳がB判定だと申請しても落ちる?」とお悩みではありませんか?
知的障害がある場合、20歳になると「障害基礎年金」を申請できます。受給できるかどうかは、知能指数(IQ)の数値だけでなく、「日常生活でどれくらい周りのサポートが必要か」が重視されます。そのため、軽度知的障害の方でも受給できる可能性は十分にあります。
本記事では、知的障害における障害年金の支給額や、審査の基準、一発で受給を決めるための申請のコツをわかりやすく解説します。
知的障害でもらえる障害年金の種類と金額
知的障害の方が申請できる障害年金には、制度上の特徴と決まった支給額があります。
支給されるのは「障害基礎年金」のみ
障害年金には「基礎年金」と「厚生年金」がありますが、知的障害の場合は原則として「障害基礎年金」のみが対象となります。
なぜなら、知的障害は「生まれつき(出生時)」に原因があるものと扱われるからです。年金制度では、障害の原因となった病気やケガの「初診日」にどの年金に加入していたかで種類が決まります。出生時は誰もが年金に加入していない(20歳未満の)期間であるため、自動的に「20歳前傷病による障害基礎年金」の扱いになります。
もらえる金額(1級・2級の年額)
障害基礎年金には、重度の「1級」と、中〜軽度の「2級」があります(※3級はありません)。それぞれもらえる金額は以下の通りです。
- 1級:年間 約102万円(月額 約8.5万円)
- 2級:年間 約81.6万円(月額 約6.8万円)
※金額は年度ごとの法改正により多少の変動があります。
また、受給者に生計を維持されている18歳未満の子ども(障害がある場合は20歳未満)がいる場合は、人数に応じて「子の加算」が上乗せされます。
知的障害の認定基準と「IQ」の関係
「IQがいくつなら受給できるのか」は多くの方が気になるポイントです。実際の審査基準を見ていきましょう。
軽度知的障害(IQ50〜70)でも受給できる?
結論から言うと、軽度知的障害(IQ50〜70)であっても、障害年金(2級)を受給できる可能性はあります。
国が定めた認定基準では、IQの数値はおおよその目安に過ぎません。審査で最も重視されるのは、「日常生活にどれだけの困難や不自由があるか」、そして「他人の援助がどれくらい必要か」という点です。IQが70近くあっても、一人で生活を営むのが難しい状態であれば、2級として認められるケースが多々あります。
審査で重視される「日常生活能力の判定・程度」
具体的には、医師が作成する診断書の中の「日常生活能力」の項目がチェックされます。
- 適切な食事(栄養のバランスを考えた食事や調理ができるか)
- 身の回りの清潔保持(入浴や着替え、洗濯ができるか)
- 金銭管理と買い物(無駄遣いをせず、計画的に買い物ができるか)
- 通院と服薬(医師の指示通りに薬を飲めるか)
- 他人との意思伝達・対人関係(他者とトラブルを起こさず交流できるか)
- 身の回りの安全保持・危機対応(事故や危険を察知して回避できるか)
- 社会性(手続きや公共施設の利用ができるか)
これら7つの項目について、「一人でできる」「手助けがあればできる」「できない」といった段階で評価され、総合的に等級が判断されます。
知的障害で障害年金を申請するステップと必要書類
知的障害の障害年金申請は、主に「20歳になったタイミング」で行います。
20歳になったらすぐに申請(20歳前傷病)
知的障害の方は、初診日を証明する「受診状況等証明書」が原則不要です(生まれたときから障害があると認められるため)。
そのため、20歳の誕生日の前日から申請の手続き(障害基礎年金の請求)を進めることができます。20歳時点で障害の程度が基準を満たしていれば、20歳の翌月分から年金が支給されます。
医師に書いてもらう「診断書」の注意点
申請で最も重要な書類が、医師に作成してもらう「診断書(精神の障害用)」です。
診察室での短い会話だけでは、医師に「普段の生活の困りごと」がすべて伝わらないことがあります。診断書を依頼する前に、「普段、家族がどんなサポートをしているか」「一人ではできないことは何か」をメモにまとめ、医師に渡すと実態に即した診断書を書いてもらいやすくなります。
家族が書く「病歴・就労状況等申立書」のコツ
ご本人やご家族が作成する「病歴・就労状況等申立書」も重要です。これは、出生時から現在までの成長過程や、学校生活、現在の日常生活の様子を3〜5年ごとに区切って記入する書類です。
- 具体的に書く:「大変だった」ではなく、「パニックになり一人で電車に乗れないため、常に母親の送迎が必要だった」など、エピソードを交えて記載します。
- 診断書と矛盾させない:医師の診断書の内容と、申立書の内容にズレがないように確認しながら書き進めましょう。
知的障害の障害年金でよくある3つの疑問(FAQ)
Q1. 働きながらでも受給できる?
A. 働きながらでも障害年金を受給することは可能です。
ただし、一般企業で健常者と全く同じようにフルタイムで働いている場合は、「日常生活能力がある」とみなされて不支給になるリスクがあります。一方で、「障害者雇用」や「就労継続支援(A型・B型)」で、職場から特別な配慮(業務の指示を優しくする、短時間勤務にするなど)を受けて働いている場合は、その配慮の内容を申立書等にしっかり書くことで、働きながらでも2級に認定されるケースが多くあります。
Q2. 療育手帳が「軽度(B判定)」でも通る?
A. 療育手帳が軽度であっても、障害年金が不支給になるとは限りません。
療育手帳(地方自治体が発行)と障害年金(国が運営)は、全く別の制度だからです。手帳がB判定(軽度)であっても、前述した「日常生活能力の低さ」や「精神的なこだわり・二次障害(うつ病や適応障害など)」を併発している場合は、障害年金の2級に該当することがあります。
Q3. 1回落ちてしまった(不支給)場合はどうする?
A. 結果に不服がある場合は「審査請求(再審査の申し立て)」をするか、再度書類を整えて「再請求」することができます。
不支給になった原因の多くは、診断書や申立書に「生活の困りごと」が十分に反映されていなかったことです。通知書に記載された不支給の理由を分析し、書類を作り直す必要があります。
障害年金の申請でお悩みなら「無料相談」をご利用ください
知的障害の障害年金申請は、ご家族だけで進めるには多くの時間と労力がかかります。特に「軽度知的障害で判断に迷う」「一度不支給になってしまった」という場合は、専門家である社会保険労務士(社労士)に相談するのが受給への一番の近道です。
当事務所では、知的障害の障害年金申請に関する無料相談を行っています。
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