【社労士監修】ペースメーカー装着で障害年金はもらえる?受給に悩む方の判定ガイドと会社への影響

心臓の持病でペースメーカーを入れることになった(あるいは、すでに手術を終えた)けれど、「自分は障害年金をもらえるのだろうか……」とお一人で悩んでいませんか?
結論から申し上げますと、ペースメーカーの装着は、原則として障害年金(障害厚生年金3級)の受給対象です。
しかし、ネットで調べると難しい専門用語ばかりで、「結局、自分の場合はどうなの?」「会社にバレたらどうしよう」と一歩を踏い出せない方がたくさんいらっしゃいます。
今回は、障害年金の専門家である社会保険労務士が、受給できるか悩んでいるあなたに向けて、見極めのポイントや注意点をわかりやすく解説します。

1. なぜ「もらえるか悩む人」が多いのか?よくある3つの誤解

まず、多くの人が「自分は対象外かもしれない」と思い込んでしまう、よくある誤解を解消しましょう。
    • 誤解①:「普通に働けているから、もらえないのでは?」⇒ いいえ、働きながらでも受給できます。
      障害年金は「働けない人」だけのものではありません。ペースメーカーを入れている時点で、激しい運動の制限や電磁波への配慮など、労働に一定の制限を受けているとみなされるため、フルタイム勤務でも受給が認められるケースは多くあります。
    • 誤解②:「日常生活は普通に送れているからダメでは?」⇒ いいえ、日常生活に大きな支障がなくても対象になります。
      ペースメーカー等の人工物を体内に装着した場合、それ自体が「体に制限を抱えている状態」と認定されるため、身の回りのことが自分でできていても支給対象となります。
    • 誤解③:「退院してから何年も経っているから、もう遅いのでは?」⇒ いいえ、過去に遡って(さかのぼって)請求できる可能性があります。
      手続きが遅れても、過去5年分までであれば、遡って一括で年金を受け取れるチャンスがあります。


2. 【1分で確認】あなたが受給できるかどうかのチェックリスト

ご自身が対象になるかどうか、以下の3つの質問に答えてみてください。
    1. ペースメーカー、またはICD(除細動器)などの手術を受けましたか?
    2. 心臓の病気で「初めて病院を受診した日(初診日)」に、会社員や公務員(厚生年金に加入)でしたか?
    3. これまでに年金保険料の未納期間はほとんどありませんか?

上記のすべてに「はい」と答えられた方は、障害年金(障害厚生年金3級)を受け取れる可能性が極めて高いです。

※ご注意:初診日に「国民年金」だった方へ

初診日に自営業、フリーランス、主婦、無職などで「国民年金」だった方は、少し注意が必要です。国民年金の「障害基礎年金」には3級という等級がないため、原則としてペースメーカー装着のみでは不支給となってしまいます。
ただし、「重い心不全の症状がある」「他の持病(糖尿病や腎疾患など)と併合できる」といった場合は、2級以上に認定されて受給できるケースもありますので、すぐに諦める必要はありません。

3. 【よくある質問】障害年金を申請したら、会社にバレてしまいますか?

現役で働いている方が最も心配されるポイントですが、原則として、障害年金を申請したことや受給していることが、国や年金機構から会社へ通知されることはありません。ご自身で話さない限り、会社に知られる可能性は極めて低いです。
会社にバレない3つの理由
    • 個人情報保護の徹底: 決定通知書などの書類はすべてご自宅に直接届きます。年金機構が会社に連絡することは絶対にありません。
    • 税金(住民税)からバレない: 障害年金は法律で「非課税」と定められています。どれだけ受給しても所得税や住民税は1円も上がらないため、会社の給与計算担当者が気づくことはありません。
    • 健康保険とも連動しない: 傷病手当金や高額療養費の手続きとは全く別個のものなので、健康保険組合から会社へ情報が漏れることもありません。

※うっかり知られてしまう「例外」のケース

基本的にはバレませんが、「自分で同僚に話してしまった」「非課税なのに年末調整の書類にうっかり書いてしまった」というケアレスミスから発覚するケースがほとんどです。隠しておきたい場合は、職場では一切口にせず、書類にも記入しないのが鉄則です。

4. 受給を勝ち取るための最大のハードルは「初診日」

ペースメーカーの障害年金申請において、最も多くの方が挫折してしまうのが「初診日の特定と証明」です。
初診日とは、「ペースメーカーの手術をした日」ではなく、「その心臓の病気(不整脈、心筋梗塞、狭心症など)で、一番最初に医師の診察を受けた日」を指します。
「10年前から会社の健康診断で心電図の異常を指摘され、再検査に行った」
「数年前に胸が痛くなって、近くのクリニックで診てもらった」
このような過去の受診記録がすべて初診日の候補になります。何年も前のことである場合、病院のカルテがすでに破棄されているケースも珍しくなく、ご自身で証明書類(受診状況等証明書)を集めるのは非常に困難を極めます。

5. まとめ:一人で悩まず、まずはプロに現状をお聞かせください

ペースメーカーを装着された方は、今後の生活や労働において目に見えない不安や制限を抱えながら過ごされています。障害年金は、そんなあなたの生活を支えるための正当な権利です。
「自分の初診日はいつになる?」「昔のカルテがなくても申請できる?」と少しでも悩まれているなら、書類を出す前にぜひ一度、当事務所へご相談ください。
複雑な初診日の調査から、医師への診断書依頼のアドバイス、書類作成まで、あなたの受給をトータルでサポートいたします。まずは「自分の場合はもらえる?」という素朴な疑問から、お気軽にお問い合わせください。