社会的治癒を主張して統合失調症にて障害厚生年金3級 事後重症請求にて決定

基本情報

請求障害 統合失調症

年額約58万円

認定期間3年

判定平均3.4 程度4⇒目安は2級

請求時点⇒障害福祉の支援員 社会保険加入 給料約9万円 週3日

請求時点⇒服薬なあり

請求時点⇒家族と同居

手帳⇒精神保健福祉手帳2級

社会的治癒とは?

 

社会的治癒は「社会保険の運用上、傷病が医学的には治癒に至っていない場合でも、予防的医療を除き、その傷病について医療を行う必要が無くなり、相当の期間、通常の勤務に服している場合には社会的治癒を認め、治癒と同様に扱い、再度新たな傷病を発病したものとして取り扱う事」と社会保険審査会にて定義されています。要は、医学的には治癒していない疾患であっても社会生活を営めているなら過去の初診日をリセットして新しい受診日を初診日としようと言う考えで障害年金や健康保険の傷病手当等で活用されています。

 

本件の経緯

初診はH236月で、街中で統合失調症の症状が出現してその後精神科に入院。3か月程で退院するが、退院時には医師から安定しているとのコメントは頂いている。(受診状況等証明書で確認)。それ以降未受診期間が約10年あり、令和37月に再度街中で統合失調症の症状が出現して精神科に入院となる。以降は1年ほどの未受診期間があるが継続通院を行っている状態である。

このケースも何もしなければ初診日は平成236月でした。ただ、この時は国民年金で10年後の令和37月は厚生年金加入中とのことで、もし社会的治癒が認められると障害厚生年金の受給になるので長期的に見れば本人に有利になります。

 

 

本件の論点

社会的治癒が認められるか?10年の未受診期間に治癒に相当する、安定した社会生活を営む事ができていたか?が論点になります。

 

 

社会的治癒の主張方法

病歴就労状況申立書では約10年間の未受診期間を詳細に記述しました。嘘はかけないので事実に即して記載しました。この未受診期間の間に積極的に就労していました。ただ、継続は難しく続いても1.2年程度で短い場合は数か月で退職もありました。平成236月、令和37月の両方の時点で受診状況等証明書を取得しました。これはどちらに転んでも手続きを円滑にすめる目的もありましたが、平成236月入院時の終診の様子を知りたいが故に取得しました。この終診時点でどのような話がなされていたのか、ポイントで本件では医師が一定の回復があったと証明していました。

10年ほどの未受診期間に特筆すべき日常生活での成果があった訳ではなかったですが、半分以上の年月就労していた事実と平成236月の退院直後はそれなりに改善していた事実を社会的治癒の材料として主張していきました。

 

結論

結論としては社会的治癒が認定され初診日は令和3年と認定され障害厚生年金の受給となりました。ただ、社会保険に加入し就労していた事実から3級認定でした。元々社会保険に加入する程度の就労はしていましたが、病状悪化に伴いリハビリ勤務の状態での請求でした。就労での配慮事項、リハビリ出勤に至った経緯なども丁寧に説明しましたが結論は厳しい物でした。ただ、長期的にみると障害厚生年金が有利なので社会的治癒が認定された点は良かったですし私もよい経験ができました。

 

社会的治癒でお困りならぜひご相談ください

この点は代理人の腕の見せどころです。