下肢障害で障害基礎年金2級認定事例 新規病院で診断書作成

 

3月30日に申請した下肢障害での障害基礎年金の結果が5月半ばに判明して、結果2級でした。実質2か月切るような審査期間で認定が下りたことに驚きです。

身体障害は精神障害と異なり手帳の等級と年金の等級が連動しません。

例えば、人工関節を挿入すると障害年金では3級ですが、身体障害者手帳は必ずしも等級認定されません。(手帳の場合は日常生活の動作に制限が加わります)また身体障害者手帳は二つ以上の障害があると上位等級に昇級したりするので、手帳の等級だけでは申請者の障害の状態がきちんと把握できない可能性があります。

 

今回は請求人の障害の状態を簡単に説明して、それを障害認定基準に当てはめて障害年金が受給できる理由を説明していきます。

 

 

 請求人が障害を負うまでの経緯

 

請求人は2階より転倒して下肢を怪我します。その際に下肢全体にダメージを負いますが、特に影響を受けたのが足関節でした。事故により、歩行が満足にできない状態に陥ってしまいました。

病院は3か所ほど転院していたので、初診の病院で受診状況等証明書の作成を依頼しました。

 

 障害年金の相談時によくあること

請求人は、そもそも自分の症状で障害年金を受給できることを知らなかった様子で私に相談に来た際は通院していませんでした。4か所目の病院のリハビリが終わり、これ以上の回復が見込めないとのことで通院自体は終了していました。

ただ、障害年金の請求には診断書が必須なので、通院は必要です。その為、このケースでは病院探しからスタートしました。

障害年金の請求ではよくあるのです。意外に思われるかもしれませんが、多くの方が常に通院しているわけではありません。障害という文字のごとく症状が固定化していることが多く、リハビリをしてもこれ以上改善が見込めないので通院の必要が無いので通院しないというケースは多いです。私がよく支援している知的障害の方もそもそも療育手帳を受けて以来精神科を受診したことが無く障害年金の為に初めて精神科を受診したという人もいます。

 

 下肢障害の障害認定基準

 

下肢障害の認定基準は上記になります。この基準をざっくりと捉えると1級は両下肢(両足)に制限が加わる場合、2級は一下肢(片足)に制限が加わる場合となります。1級の足関節以上を欠くとは、要は欠損している状態を指します。両足の足関節以上が欠損していたら1級です。問題は「著しい障害を有する」状態がどのような状態を指すかです。これも認定基準に答えがあります。

認定基準によると、「一下肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一下肢の用を全く廃したもの」とは、一下肢の 3 大関節中いずれか 2 関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものを指します。

 () 不良肢位で強直しているもの

 () 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の 2 分の1以下に制限され、 かつ、筋力が半減しているもの

() 筋力が著減又は消失しているもの

「著しい障害を有する」のポイントは、3 大関節中いずれか 2 関節以上の関節が異常をきたす場合を指します。3大関節とは股関節、膝関節、足関節の3つです。その中で2関節以上が障害の状態になると2級として認定されます。1級の場合は両足がその様な状態なる必要があります。

請求人の障害の状態

 

請求人の障害の状態は3大関節の中の足関節が障害の状態にありますが、他の関節は「全く用を廃した状態になった」とはいえません。では、どのようにして年金認定がなされたのでしょうか?

答えは、「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を 受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」に該当したからです。

この状態は両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1 関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の 2 分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減している状態を指します

請求人はまさしく両足の足関節がこの状態でした。

上肢の場合はこの様な基準は無いのですが、足は大事という意味でしょうか?両足の1関節以上が用を廃した状態にあれば2級と認定されます。

 終わりに

以上が下肢の障害で障害基礎年金2級が下りた理由です。身体障害は障害認定基準が客観化している反面、素人目にはわかりづらく、そもそも検査をしないと障害状態に該当するか否かが不明瞭です。身体障害の場合はリハビリが終わり通院していないケースも多いので病院探しから始める必要もあります。

通院していなければ通院すればよいだけですし、身体障害をお持ちの方で年金受給していないケースは一度チャレンジして見られたら如何でしょうか?目安は立ちにくいですが障害者手帳を取得している場合は可能性があるのではないでしょうか?

当事務所でも肢体障害の障害年金サポートを実施しています。お気軽にお問い合わせください。