外国人の障害年金ポイント解説。外国人でも障害年金受給できます。

 外国人でも障害年金が受給できることを知っていました?

 

エ!と思われるかもしれませんが、障害年金において国籍要件は定められていません。なので、要件に該当すれば障害年金を受給することは可能です。

 

弊社でもこれまで数名の外国籍の障害年金請求を成功させてきました。

 

以下では外国人特有の論点を交えて外国人の障害年金を請求する際のポイントを解説します。

外国人が障害年金を請求する際の要件について(3要件の説明)

① 初診日に加入している保険から年金が支給される

障害年金は初診日に加入している保険から年金が支給されます。初診日が国民年金なら障害基礎年金、厚生年金なら障害厚生年金という具合です。これは外国人であっても同じです。逆に言うと初診時に日本の公的年金に加入していないなら、いくら来日し障害状態にあったとしても日本で障害年金受給という話に至りません。これは、日本国籍を有する日本人が20歳以降に外国で初診を迎えたとしても、その際に日本の国民年金に任意加入していないなら障害年金を受給できないのと同じ理屈です。しかし、日本人は外国にいる間も希望すれば国民年金に任意加入できますが、日本国籍を有しない外国人は国民年金に任意加入したくても加入はできないのが大きな違いです。

② 保険料納付要件を満たす

初診時に日本の公的年金に加入していたとしても保険料を納めていないと障害年金は受給できません。保険料の納付要件は初診日の前日が属する月から遡り一年間保険料の未納期間がないなら納付要件は満たします等があります。

外国人で多いのが、国民年金未加入問題です。例えば外国から日本に就労で来日し働き始めるケースでは来日直後から厚生年金に加入する形になるので未納の問題は生じませんが、留学、家族滞在、日本人の配偶者等で来日するケースで国民年金に加入する手続きをしないケースは散見します。

初診日が過ぎてから国民年金の保険料を納めても障害年金上は意味がないので、日本に来日するともしもの事があると困るので年金の加入手続きはしておくべきです。留学生等はお金が無いなら免除はできます。

③ 障害年金を受給できる障害状態にあること。

当然ながら障害年金の受給には障害年金を受給できる程度の障害状態にある必要があります。今はコロナで外国への行き来が難しいですが、以前は外国(外国人からすると本国)の病院でしか通院していない、日本では通院していないが年金は請求できるの?という相談もありました。

診断書は日本の診断書でなくても大丈夫ですし、医療機関も日本の病院でないと不可という訳でもありません。しかし、診断書は障害年金の検査項目が全て網羅されている必要がありますし、言語面も外国語で作成されているなら日本語に翻訳しないといけません。翻訳者は誰でもよいですが、当然ながらきちんとした翻訳でないといけません。

外国の病院の診断書の場合の論点としては、継続的に通院しているかという点が挙げられます。例えば肢体切断等の診断書を作成してもらう等は継続的に通院することもないかもしれませんが、例えば精神疾患で外国の病院に通院しているケースで通院の頻度が問題になる可能性もあります。毎月通院できたら問題は無いでしょうが、例えば3カ月に一度、半年に1度の通院なら、通院頻度自体が少ないので本当に障害年金が受給できる程度の障害なの?と疑問を持たれて不支給になる可能性はあります。

精神系の障害年金で毎月通院していないと年金は下りない等のルールはありませんが、継続的な通院は暗黙の了解としては必須になるとは思われます。

 

 

外国人の20歳前の障害基礎年金について

外国人の障害年金を語る上で20歳前の障害基礎年金の論点は外すことができません。障害基礎年金や障害厚生年金は初診時に保険に加入していたので年金が支給されるのすが、20歳前の障害基礎年金は公的年金加入前に初診日があるケースで支給される年金です。この年金も国籍要件がないので、極論言えば本国で20歳前に初診や障害を負った状態で日本に来日すれば受給できる可能性があります。知的障害等は代表例ではないでしょうか?

今の年金制度に国籍要件もなければ初診時に日本の病院に通院していないといけないルールもないので、条件さえ合えば20歳前の障害基礎年金の受給はあり得るのかなとは感じています。

ただし、知的障害で障害年金を考えるにしてもその障害者が在留資格を得る事ができるのかという論点はあります。例えば、日本で親が就労しており、子供を本国から呼び寄せる場合は家族滞在という形で呼び出しますが、一般的に20歳を超えた子供を呼び寄せる事はできません。もし、子を呼び寄せたい場合は少なくも小学、中学辺りから呼び寄せないと家族滞在の在留資格は下りません。また知的障害者自身が就労ビザで来日するケースもありますが、就労ビザは基本的に高等教育(大学や専門学校)を卒業者でないと下りないので知的障害者では学歴要件を満たさない可能性が高いです。仮に、学歴要件を満たした上、就労ビザで来日したとしても、大学卒業して日本で就労する能力があるので障害年金は不支給となる可能性は高いです。その為、可能性として残るのは日本人の配偶者や永住者の配偶者で呼び寄せる場合かとは思います。

上記は知的障害で説明しましたが、初診が外国で日本で数十年生活した上で障害化する場合も当然ながら20歳前の障害基礎年金の対象にはなります。後は審査にてどのような判断が下るのかという話になります。

 終わりに

以上が、障害年金の受給3要件を外国人の年金という点に焦点を当てた解説になります。次回はもう少し実務的な細かい論点について事例を交えて説明します。

弊社は外国人の障害年金サポートにも力を入れています。中国人の翻訳スタッフが在中しているので、日本語に不安が有っても対応可能です。もし、障害年金でお悩みん場合は是非ご相談ください。