事後重症請求とは?
いわば「今の状態」での申請と遅れると損する理由
あずさ国際年金・労務事務所
障害年金の申請を考えている方から、最も多くいただくご質問の一つに「認定日請求」と「事後重症(じごじゅうしょう)請求」の違いがあります。
専門用語が多くて難しく感じられるかもしれませんが、当事務所では分かりやすく「事後重症はいわば『今の状態』での申請です」とお伝えしています。
今回は、この事後重症請求の仕組みと、なぜ「手続きが遅れると損をしてしまうのか」について、プロの社労士が分かりやすく解説します。
1. 事後重症請求は、いわば「今の状態」での申請
障害年金は原則として、初診日から1年6ヶ月が経った時点(障害認定日)の症状を基準に審査されます。
しかし、「当時はまだ症状が軽かった」「受診を中断していて当時の診断書が書けない」というケースは決して珍しくありません。
そんなときに活躍するのが「事後重症請求」です。
過去がどうであれ、「今現在、これだけ症状が重くて日常生活や仕事に支障が出ているので、今から年金をもらいたいです」と、現在の診断書(1枚)だけで国に審査してもらう方法です。
過去の書類紛失に悩まされることがないため、手続きのハードルが比較的低いというメリットがあります。
2. 手続きが1ヶ月遅れると、1ヶ月分の年金を「永久に失う」理由
事後重症請求(今の状態での申請)を決めた場合、最も大切なのは「1日でも早く年金事務所に書類を提出すること」です。なぜなら、この申請方法には「過去にさかのぼって支給される仕組み(遡及支給)」が一切ないからです。
国から年金をもらう権利(受給権)は、年金事務所に書類が受理された「請求日」に初めて発生します。法律により、年金は「請求した月の翌月分から」しか支給されません。
⚠️ もらい損ねの具体例
例えば、障害年金2級(月額約6.7万円)に該当する方が、書類集めを後回しにして提出が3ヶ月遅れてしまった場合、「6.7万円 × 3ヶ月 = 約20万円」の年金を後から取り戻すチャンスは一切なく、永久に損をしてしまうことになります。
「早く出せば出すほど、生涯でもらえる年金の総額が多くなる」のが事後重症の鉄則です。
3. 「65歳の手前」という絶対的なタイムリミット
事後重症請求には、もう一つ重大なルールがあります。それは法律で「65歳の誕生日の前々日まで」しか申請できないと厳しく定められている点です。
手続きを先延ばしにして65歳を過ぎてしまうと、どれだけ「今の状態」が重かったとしても、事後重症で申請を行う権利そのものが完全に消滅してしまいます。
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事後重症を検討する際、「昔のカルテがなくて初診日が証明できないかも…」と不安な方は、以下の記事を参考にしてください。
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まとめ:一人で悩まず専門家へご相談を
特にうつ病やパニック障害などの精神疾患、また知的障害や発達障害を抱えながらの就労は、環境の変化によって急激に悪化することが多く、過去の時点よりも「今の状態」の方が圧倒的に重いケースが多々あります。
「過去の診断書が取れないから…」と諦める必要はまったくありません。大切なのは、「いわば今の状態」を証明する診断書や申立書を、もらい損ねが出ないようスピード感を持って正確に仕上げることです。
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