事例81:20歳以降に初めて知的障害と診断され、障害者枠(社会保険加入)で働きながら障害基礎年金2級を受給したケース
【相談者の状況】
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- 年齢・性別:30代(男性)
- 傷病名:軽度知的障害(精神遅滞)
- 判明した時期:20歳以降(大人になってから初めて精神科を受診し診断)
- 診断書データ:日常生活能力の判定平均 3.0 / 程度 3
- 就労状況:有職(障害者雇用枠にて一般企業に勤務・社会保険加入)
- 手帳の有無:療育手帳(B2)を大人になってから取得

1. 相談の背景と問題点
相談者は、学生時代を通常の学級で過ごしてきました。当時は軽度知的障害への社会的理解や学校の支援体制が不十分だったこともあり、周りより勉強が苦手で不器用な面はあったものの、特別なサポートを受けることなく卒業を迎えました。
しかし、20歳を過ぎて社会に出てから状況が一変します。複数の指示を一度に処理できない、臨機応変な対応ができずにパニックになる、といった問題が頻発し、一般雇用での就職・転職を繰り返す中でひどく体調を崩してしまいました。そこで、大人になってから初めて精神科を受診したところ、20歳以降にして初めて「軽度知的障害」である事実が判明したのです。
現在はハローワーク等の支援を受け、障害者雇用枠で一般企業に勤務し、社会保険(健康保険・厚生年金)にも加入して働いています。しかし、給与だけでは自立した生活が難しく、障害年金の申請を希望されました。
今回の申請において、審査の大きな壁となったのは以下の2点です。
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- ポイント①(最大の焦点):20歳以降に初めて知的障害と診断された(過去の通院歴や通知表などの客観的証拠がない)状態で、「20歳前の障害基礎年金(出生日が初診日)」として国に認められるか。
- ポイント②:現在、障害者枠とはいえ社会保険に加入して働いている(有職)状態で、基礎年金の受給ラインである「障害等級2級」に該当するか。
2. 解決に向けたアプローチ(実践したこと)
① 過去の古い書類は使わず「病歴・就労状況申立書」で先天性を証明
大人になってからの診断であるため、小学校〜高校当時の通知表や母子手帳といった客観的な証拠は手元に残っていませんでした。
そこで、本人とご家族の記憶を丁寧にヒアリングし、「病歴・就労状況申立書」を作成。
20歳前(子どもの頃)から一貫して生きづらさや発達の遅れがあった事実、通常の学級内でいかに勉強についていくのが大変だったか、親が付きっきりで宿題を教えていたかなど、当時のエピソードを詳細に記載しました。これにより、「大人になるまで見過ごされてきただけで、生まれつき(先天的)の知的障害であった事実」を審査側に強く証明しました。
そこで、本人とご家族の記憶を丁寧にヒアリングし、「病歴・就労状況申立書」を作成。
20歳前(子どもの頃)から一貫して生きづらさや発達の遅れがあった事実、通常の学級内でいかに勉強についていくのが大変だったか、親が付きっきりで宿題を教えていたかなど、当時のエピソードを詳細に記載しました。これにより、「大人になるまで見過ごされてきただけで、生まれつき(先天的)の知的障害であった事実」を審査側に強く証明しました。
② 社会保険加入(有職)のマイナスを覆す「就労の障壁」の主張
相談者の診断書データ(判定平均3.0・程度3)は、国のガイドライン上、障害等級「2級」の目安に合致しています。
しかし、社会保険に加入して定時で働いている実績があるため、普通に申請すると「労働能力あり」とみなされ、1等級引き下げ(3級相当=基礎年金は不支給)になるリスクが高い状態でした。
しかし、社会保険に加入して定時で働いている実績があるため、普通に申請すると「労働能力あり」とみなされ、1等級引き下げ(3級相当=基礎年金は不支給)になるリスクが高い状態でした。
そこで、「社会保険に入って働けているのは、障害者雇用枠としての多大な配慮があるからこそ成り立つ限定的な労働能力である」という実態を、書類(診断書と申立書)で完全に証明する対策をとりました。
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- 診断書の記載:主治医に対し、職場で受けている具体的な配慮(指示は1つずつ具体的に出す、作業工程の簡素化、指導員による毎日のダブルチェック等)を細かく診断書に書き込んでもらいました。
- 日常生活の困難さの強調:一人暮らしは不可能で、給与の金銭管理、役所の手続き、食事の用意、体調不良時の対応などは、すべて同居している家族に依存している(私生活は著しく制限されている)実態を詳細に記載しました。
3. 結果
申請の結果、客観的な古い証拠がなくても、申立書による「20歳前の困りごと」の記載から、先天的(20歳前傷病)な知的障害であると認められました。さらに、障害者雇用枠における環境の配慮と、日常生活における家族の援助の必要性が正しく評価され、障害基礎年金2級(事後重症請求)の受給(年額約81万円〜)が決定しました。
なお、前年の所得が20歳前傷病の所得制限基準(単身者の半額支給停止ライン:所得約370万円/給与収入換算で約518万円)を大きく下回っていたため、減額されることなく全額が支給されています。
【20歳以降の知的障害・働きながらの障害年金申請でお悩みの方へ】
「大人になってから知的障害が分かったけれど、本当に受給できる?」
「社会保険に入って働いているから、申請が不安……」
「社会保険に入って働いているから、申請が不安……」
当事務所では、20歳以降に知的障害が判明した方や、お仕事をされている方の障害年金申請を数多くサポートしてきた実績があります。
「病歴・就労状況申立書」の作成や職場での配慮の証明など、受給に向けたポイントを専門の社会保険労務士が分かりやすくアドバイスいたします。
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