特別児童扶養手当の診断書を活用して障害年金の申請を行おう。

 障害年金の申請には障害年金用の診断書が用意されており、原則的にその診断書を用いて申請します。診断書は第120号の17まで定めらており、請求する障害に対応する診断書を活用して年金申請を行います。精神系の障害年金の場合は様式第120号の4を活用します。もし、高次脳機能障害で言語障害が有ったり、身体障害があったりする場合はそれに応じた診断書を活用して申請します。

  

絶対に障害年金の診断書を使って申請しないといけないことは無いみたいですが、多くの場合は第120号の17の診断書を用いて申請します。しかし、これには例外が有り障害年金とは全く異なる診断書を活用して年金が認められる場合が有ります。

それが特別児童扶養手当の診断書です。

  

特別児童扶養手当について

根拠法は別児童扶養手当等の支給に関する法律で、その目的は「精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ること」にあります。

特別児童扶養手当は障害年金と似ている制度ですが、以下の点で違いがあります。

① 支給対象者:特別児童扶養手当の支給対象者は、本人ではなく20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。障害年金は本人に支給されます。

 

② 年金額:支給月額(令和2年4月より適用)

1級 52,500

2級 34,970

 

③ 請求方法:障害年金は診断書のみの申請ですが、特別児童扶養手当は診断書と障害者手帳を活用して請求する方法の2つあります。

 

手帳の写しの提出で提示で請求する方法

特別児童扶養手当の特徴として障害者手帳の写しを提出して申請する方法があります。細かいルールは自治体ごとで違うみたいですが、大阪市内は療育手帳(知的障害の人の手帳)A判定で特別児童扶養手当1級、B1で特別児童扶養手当2級が支給されるみたいです。そのためB1以上の子を持つ保護者は診断書を提出するより手帳の写しで請求する方法を選択するのが多いと聞いています。診断書を提出するのはB2の場合のみになります。

 

特別児童扶養手当の診断書を障害年金の診断書に代替可能

20歳前の障害基礎年金の申請で特別児童扶養手当の診断書が代替できることは知られていません。年金事務所の職員も知らないケースが多いですし、その結果が今一不透明だからです。年金事務所の職員も確実に年金が受給できるとは言いません。私の経験的には最近特別児童扶養手当の診断書を活用して申請し、まだ結果待ちの状況なので実際に特別児童扶養手当の診断書を活用して年金が受給できるかは分かりません。しかし、書籍などを見る限りは受給できるというのでそれを信じて手続きをしている最中です。

代替できる根拠としては「特別児童扶養手当支給にかかる直近の診断書を提出する場合は、当該診断書ですでに障害基礎年金と同様の認定をされていることを踏まえ、診断書の作成日にかかわらず、受付・審査を行うこととし、必要に応じて現症の確認を行う」と年金機構業務処理マニュアル⑤-2 平成253月「国年厚年 年金給付1裁定」 1-4-15 に記載されています。

若干の不透明感もありますが、療育手帳B2で特別児童扶養手当を診断書で受給している方にはこの障害年金の診断書の提出を省略できる制度はお勧めですので、ぜひ活用を検討してみてください。

 

提出する特別児童扶養手当の診断書について

 提出する診断書は特別児童扶養手当支給にかかる直近の診断書になります。年金事務所に提出するのは市役所等に提出した直近の診断書で、再度病院に作成してもらう必要はありません。市役所から以前提出した診断書のコピーに原本証明をしてもらい、それを年金事務所に提出します。そのため、以前提出した特別児童扶養手当の診断書のコピーをそのまま年金事務所に提出するだけでは認められません。市役所等で原本証明をしてもらう必要があります。

意外とその市役所等での原本証明の手続きが大変かと思います。市役所の人もよく分からない制度なので事情を説明していかないといけないのが難点です。

最後に

原本証明を取得するやり取りを役所とするのは若干大変です。また、病歴就労状況申立書を作成しないといけないのは通常の障害年金と同じ流れです。特別児童扶養手当の診断書を活用しても若干の煩わしさが残るのが障害年金の手続きです。なので、手続を熟知した社労士にお任せください。最短2週間程度で請求が可能です。