障害年金と就労の両立は可能です。法律には仕事をしていたら障害年金を不支給にするとはどこにも書かれていません。しかし、就労しているという理由で年金が不支給の場合があります。以下ではどのような場合に年金が不支給になり、どのようにすれば年金と就労の両立が可能になるのか説明します。

まず、肢体障害・視覚障害・聴覚障害等と就労の両立は可能です。

就労と年金の両立が難しくなるのは①内疾患(内臓・心臓。肝臓等)②精神障害(知的障害・うつ病・発達障害)の場合です。その中で内疾患の診断書では明確に労働能力と障害状態との関係が問われるので、就労している事実で診断書自体は軽い内容になってしまう可能性があります。

一方精神障害の場合は診断書に就労の状況を記載する欄はありますが、就労と障害状態を直接関係づける項目はありません。そのため精神障害の場合は就労していても障害の程度が軽くなることは内疾患と比較すれば少ないと思います。

 

以下では精神系の障害年金と就労の関係についてお話しします。

精神系の障害は内疾患と比較して就労には比較的親和性があります。しかし、就労すると年金が不支給になる事実も存在します。

その理由として考えられるのは障害年金の目的が「障害により日常生活が制限される場合」の所得補償制度だからです。その指標は日常生活能力になります。一般的に労働能力は日常生活の上位に位置すると考えられるので就労している=労働能力あり⇒日常生活能力もあるという流れから年金不支給となります。

一方で障害認定基準には「就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。 したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。」と記載されています。

法律では就労≠年金不支給とは記載されていません。むしろ、仕事の状況等様々な要因を確認して日常生活能力の判断を行うように年金機構に注文しています。しかし、裏を返せば請求者がもし就労しているなら、年金機構が診断書等を通じて仕事の状況等の確認を十分に行えないと日常生活能力があると認定される可能性があること意味します。

年金機構の認定医も「なぜこの人は障害等級2級程度の診断書なのに就労できているのだろう?」と疑問に思うのは当然です。それに対して「請求者の雇用形態は障害者雇用で周囲の手厚い援助により就労継続がどうにかできている。」等の趣旨の説明ができれば認定医も納得されるのではないでしょうか?

 

精神系の障害年金で就労しているケースは少なくとも認定基準に記載されている情報は聞き取りし書面にまとめる必要はあると思います。特に精神障害の場合は必須であると感じながら日々実務をこなしています。