【社労士解説】てんかん障害年金は発作回数が鍵!精神の目安表対象外でも2級に

「うつ病などの精神疾患には審査の目安となる表があるのに、てんかんは対象外だと聞いて不安…」
「20歳前からの症状で現在無職。障害者手帳は2級で、日常生活の判定も3.0くらいあるのに、目安表が使えないなら年金はもらえないの?」

ご自身で障害年金について調べていく中で、このような不安を感じていらっしゃる方はとても多いです。ネットには様々な情報があふれているので、心配になってしまいますよね。

まず、安心してくださいね。てんかんが「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の目安表の対象外であることは事実ですが、それは「審査が厳しくなる」「年金がもらえない」という意味ではありません。

この記事では、なぜてんかんが目安表の対象外となっているのか、そして実際の審査ではどんなことが大切になるのかを、できるだけ分かりやすくお話しします。

1. なぜ「てんかん」は目安表から外されているの?

精神疾患で障害年金を請求する際、多くは診断書にある「日常生活能力」の点数を組み合わせた「目安表」を使って、おおよその等級が判断されます。

ですが、てんかんの場合、この目安表にそのまま当てはめることはしないルールになっています。実はこれ、てんかんでお悩みの方を「不当に軽い症状だ」と判断してしまわないための、大切な配慮なのです。

発作がない時(間欠期)の日常生活について

精神の目安表は、「お食事」「入浴」「お買い物」などが一人でどれくらいできるかを点数化するものです。
でも、てんかんをお持ちの方の多くは、発作が起きていない時であれば、ご自身で身の回りのことを問題なくこなせることが少なくありません。

もし、てんかんを目安表にそのまま当てはめてしまうと、「日常生活が一人でできているから、障害年金はお渡しできません」という、実態に合わない結果になってしまうかもしれません。

いつ起こるか分からない発作の危険性や、お仕事への影響といった「本当のお困りごと」をしっかりと審査に反映させるために、あえて目安表の対象から外しているのです。

2. てんかんの審査で一番大切なのは「発作の回数」です

それでは、目安表を使わずに何を見て等級(2級や3級 ※20歳前障害基礎年金の場合は1級または2級のみ)を決めるのでしょうか。

てんかんには専用の基準がしっかりと用意されており、一番大切になるのは「どんな発作が」「どのくらいの頻度で起きているか」です。

障害等級2級の目安となる発作のペース

お薬をしっかり飲んで治療を続けているにもかかわらず、次のような発作が起きている場合は、2級の認定対象として考えられます。

  • 年に2回以上の発作: 意識を失って倒れてしまったり、全身がけいれんしたりするような発作
  • 月に1回以上の発作: 意識はあるけれど、突然力が抜けてへたり込んでしまうような発作

診断書の「日常生活の点数」にかかわらず、まずはこの「発作がどのくらいのペースで起きているか」という事実が審査のベースになります。

3. 「てんかん性精神病」などがある場合は目安表の対象になります

「それなら、診断書の日常生活の項目はどうでもいいの?」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありませんよ。

てんかんの発作そのものは回数で評価されますが、発作がない時(間欠期)に精神神経症状が出ている場合、とくに「てんかん性精神病」や「てんかん性認知症」と診断されているケースでは、その精神症状について精神のガイドライン(目安表)が適用されます。

  • てんかん性精神病などの精神症状がある(目安表の適用対象)
  • 長年の発作やお薬の影響で、物忘れが増えたり、考えるのが難しくなったりしている
  • 強いお薬の副作用で、日中も強い眠気やふらつきがあり、生活やお仕事に支障が出ている

例えば、「発作の回数は基準ギリギリだけれど、てんかん性精神病の症状があり、日常生活の点数も3.0・程度4である」といった状況なら、その精神症状の重さがガイドラインに沿ってしっかり評価され、認定を後押ししてくれます。お仕事に就くのが難しく、現在無職の状態であることもしっかりお伝えすることが大切です。

4. 安心してお手続きを進めるためのヒント

てんかんで障害年金を受け取るために一番大切なのは、「主治医の先生に、発作の本当の状況を正しく知ってもらうこと」です。

診察室の短い時間で、数ヶ月分の発作をすべて口頭で伝えるのは難しいですよね。
日頃から「発作メモ」をつけて、いつ、どんな発作が、どれくらい続いたのかを記録し、診断書をお願いする時に先生にお渡しするとスムーズですよ。

障害年金のことで迷ったら、いつでもご相談ください

てんかんの障害年金申請は、「目安表の対象外」という特別なルールがあるため、診断書のお願いの仕方や、申立書の書き方に少しコツがいります。

「自分の発作の回数で受給できるのかな…」
「初めてのことばかりで、何から手をつければいいか分からない」

そんな時は、どうか一人で抱え込まずに私たち専門家を頼ってください。あずさ国際年金・労務事務所では、障害年金を専門とする社労士が、てんかん特有の審査基準に沿って、ご相談者様に寄り添ったサポートを行っております。まずはお気軽にお話しをお聞かせくださいね。